【為替本日の注目点】NYダウ、今週2度目の500ドルを超える下落

ドル円は反落。欧州市場では112円08銭まで上昇したがNYでは株価が大幅に下げ、リスク回避から円と、債券が買われ、111円24銭までドル安に。ユーロドルは続落。前日の安値を下回る1.1563までユーロ安が進む。株式市場は3指数が揃って大幅安。ダウは今週火曜日に続き546ドルの大幅安を記録。債券は続伸。長期金利は1.48%台へと低下。金は大きく反発し、原油も小幅に反発。
新規失業保険申請件数 → 36.2万件
4-6月GDP(確定値) → 6.7%
9月シカゴ購買部協会景気指数 → 64.7
ドル/円 111.24 ~ 112.00
ユーロ/ドル 1.1563 ~ 1.1598
ユーロ/円 128.74 ~ 129.72
NYダウ -546.80 → 33,843.92ドル
GOLD +34.11 → 1,757.00ドル
WTI +0.20 → 75.03ドル
米10年国債 -0.029 → 1.487%
【本日の注目イベント】
日 8月失業率
日 7-9月期月日銀短観
独 独9月製造業PMI(改定値)
欧 ユーロ圏9月製造業PMI(改定値)
欧 ユーロ圏9月サービス業PMI(改定値)
英 英9月マークイット製造業PMI(改定値)
米 9月マークイットサービス業PMI(改定値)
米 9月個人所得
米 9月個人支出
米 9月PCEコアデフレータ
米 9月ミシガン大学消費者マインド(確定値)
米 9月ISM製造業景況指数
米 9月自動車販売台数
米 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁、オンライン討論に参加
米 メスター・クリーブランド連銀総裁、オンライン討論に参加
ドル円は欧州時間に112円08銭まで買われる場面がありましたが、NYでは大きく売られる展開でした。昨日のこの欄でも指摘したように、「日足の雲」を上抜けした後は急ピッチの上昇が続き、ローソク足を見ても「6営業日連続で陽線」を示しており、そろそろ上昇も一服していいころ合いだったと思っていました。この傾向は米長期金利にも当てはまり、2週間前の水準はまだ1.29%台でした。こちらも、早ければテーパリングが年内に開始される可能性があるとはいえ、上昇ピッチは早すぎた印象です。また、昨日のNY株式市場では3指数が揃って大幅安となり、ダウは今週火曜日に続き再び500ドルを超える下げに見舞われ、ナスダックは4日続落でした。株価の大幅な下落で久しぶりの「安全通貨の円」が買い戻された格好でした。昨日はドル円だけではなく、クロス円全般で円高が進み、リスク回避から円が買われる際の特徴的な動きでした。
米下院では昨日、期間9週間の暫定予算案が可決し、上院では既に可決されているため、同法案はバイデン大統領に送付され署名されることから、政府機関の閉鎖は回避されることになりました。しかしこの好材料も株式市場のセンチメントを変えるには至らなかったようです。ただ、イエレン財務長官は、連邦債務上限の適用停止ないし、引き上げの法的措置が講じられない限り、財務省の手元資金は10月18日前後には事実上尽きると警告しています。米議会予算局(CBO)も同じく、連邦政府の債務上限の引き上げ、ないし、再度の適用停止が実現しなければ、10月後半か11月初めまでに財務省の資金が尽き、デフォルト回避の特別措置も使い切る見通しだと発表しています。
デフォルトと言えば、中国恒大集団は29日に米ドル債の利払い期限を迎えていましたが、利払いを再び見送ったことを米投資家2人が明らかにしたようです。一方で同社は30日のウェブサイトで理財商品の購入者に資金を返還したことを明らかにしており、資金は既に投資家の口座に振り込まれているようです。詳細は不明ですが、人民元建ての理財商品について返還されており、米ドル建てのものについては支払いがなされていないようです。人民元建ての理財商品については、同社の多くの従業員を含め7万人以上が購入している模様です。
アトランタ連銀のポスティック総裁は電話会談で、「私のモデルでは経済は2022年いっぱい非常に力強く推移し、22年末までに完全雇用に近づく」と指摘し、「23年に関しては、利上げ回数予想を1回増やし、3回になるとみている」と述べ、さらに「私が描くような力強い成長になれば、さらにもう1回利上げがあったとしても問題にならないと思う」と語っています。(ブルームバーグ)0.25%刻みで利上げされたとして、フェデラルファンド(FF)金利は3回では0.75%、4回では1.0%になることを意味します。
本日のドル円は111円~111円70銭程度を予想します。下値のメドは節目の111円前後になろうかと思います。今回のドル円の上昇は9月22日の109円12銭を大底として始まっています。昨日の112円08銭までの上昇幅をフィボナッチから導き出しても、38.2%戻しは110円95銭となり、ほぼ一致します。目先はこのレベルがサポートとみています。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円は反落。欧州市場では112円08銭まで上昇したがNYでは株価が大幅に下げ、リスク回避から円と、債券が買われ、111円24銭までドル安に。(イメージ写真提供:123RF)
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2021-10-01 10:15