カーリットHDは2月安値まで下押すことなく反発の動き、指標面の割安感も支援材料に出直り

  カーリットホールディングス <4275> の株価は地合い悪化も影響して3月の500円近辺から反落したが、2月安値水準まで下押すことなく足元では反発の動きを強めている。指標面の割安感も支援材料であり、調整が一巡して出直り展開だろう。   日本カーリットが純粋持株会社を設立して13年10月東証1部市場に上場した。化学品事業部門(産業用爆薬、緊急保安炎筒・信号炎管、危険性評価試験受託、化成品関連、電子材料・機能性材料関連など)を主力として、ボトリング事業部門、産業用部材事業部門(半導体用シリコンウェーハ、研削材、耐火・耐熱金物など)を展開している。   自動車用緊急保安炎筒の国内市場シェアは約8~9割と想定される。ボトリング事業は伊藤園 <2593> 向けが主力で、半導体用シリコンウェーハ事業は小口径4~6インチのニッチ市場を主力としている。海外は中国・上海、シンガポールに展開している。   中期経営計画「飛躍500」ではグループ収益基盤と総合力強化に向けて、M&A戦略を積極展開して事業を多様化してきた。13年10月には一級建築士事務所の総合設計を子会社化して、上下水道・排水処理施設設計分野に進出した。さらに14年2月には東洋発條工業を子会社化した。自動車・建設機械向けを中心とした各種スプリング製造・販売分野に事業展開し、耐火・耐熱金物の並田機工などと合わせた産業用部材事業部門を新たな収益の柱とする戦略だ。   前期(14年3月期)の連結業績見通し(10月30日時点)は、売上高が前々期比9.1%増の410億円、営業利益が同30.0%増の18億円、経常利益が同24.5%増の19億円、純利益は横浜工場跡地売却益の一巡で同31.0%減の11億円としている。電子材料関連がやや低調だが、自動車用緊急保安炎筒で新車装着用の広域回収に伴う価格改定効果、車検交換用の緊急脱出用ガラス破壊機能付き製品「ハイフレヤープラスピック」など、自動車関連の好調が全体を牽引して増収営業増益見込みだ。   今期(15年3月期)については、自動車用緊急保安炎筒や化成品分野の塩素酸ナトリウムが引き続き堅調に推移するだろう。さらにボトリング事業の冬場稼働率向上に向けたホット飲料対応の効果、M&Aによる総合設計と東洋発條工業の通期連結も寄与して好業績が期待される。   株価の動きを見ると、2月5日安値435円から一旦は500円近辺まで戻したが、全般地合い悪化も影響して4月11日の454円まで調整した。しかし2月安値水準まで下押すことなく、足元では470円近辺まで戻して反発の動きを強めている。調整が一巡したようだ。   4月23日の終値466円を指標面で見ると、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS53円42銭で算出)は8~9倍近辺、前期推定配当利回り(会社予想の年間10円で算出)は2.1%近辺、実績PBR(日本カーリットの前々期実績の連結BPS841円00銭で算出)は0.6倍近辺である。週足チャートで見ると13週移動平均線を割り込んで調整局面の形だが、日足チャートで見ると25日移動平均線突破の動きを強めている。指標面の割安感も支援材料であり、調整が一巡して出直り展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
カーリットホールディングス<4275>(東1)の株価は地合い悪化も影響して3月の500円近辺から反落したが、2月安値水準まで下押すことなく足元では反発の動きを強めている。
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2014-04-24 11:00