【為替本日の注目点】衆院選の結果を受けドル円は早朝に114円17銭まで上昇

ドル円は反発し114円台を回復。NYではPCE指数が予想通り高く、インフレ懸念からドル円は114円09銭まで買われる。ユーロドルでもドル高が進み、一時は1.1535近辺まで下落。株式市場は3指数とも揃って続伸し、最高値を更新。マイクロソフトが買われ、時価総額でアップルを抜き米国最大に。債券は反発し、長期金利は1.55%台へ低下。金は3日ぶりに反落。原油は続伸し83ドル台に。
9月個人所得 → -1.0%
9月個人支出 → 0.6%
9月PCEコアデフレータ → 3.6%
9月PCEデフレータ → 4.4%
10月ミシガン大学消費者マインド(確定値) → 71.7
7-9月雇用コスト指数 → 1.3%
ドル/円 113.72 ~ 114.09
ユーロ/ドル 1.1535 ~ 1.1648
ユーロ/円 131.61 ~ 132.69
NYダウ +89.08 → 35,819.56ドル
GOLD -18.70 → 1,783.90ドル
WTI +0.76 → 83.57ドル
米10年国債 -0.028 → 1.552%
【本日の注目イベント】
中 10月財新製造業PMI
独 独10月製造業PMI(改定値)
欧 マーックイットユーロ圏10月製造業PMI(改定値)
英 英10月製造業PMI(改定値)
英 COP26首脳会合(2日まで)
米 10月マークイット製造業PMI(改定値)
米 10月ISM製造業景況指数
ドル円は前日の113円台前半を底値に、NYでは週末に再び114円台を回復してきました。発表されたPCEデフレータが年率で「4.4%」と依然として高水準で、米ゴールドマンはそれまで、利上げは2023年と予想していましたが、インフレの長期化を理由に、2022年7月の利上げ予想を発表しました。また昨日の衆院選で、事前予想とはやや異なり自民党が単独で過半数議席を獲得し、公明党との連立では293議席を獲得したことでドル円は114円17銭近くまでドル高が進んでいます。政権が安定するとの見方や、岸田政権が数十兆規模の経済対策を打ち出すといった観測から「リスクオンの円売り」が連想された結果かと思われます。
米国の7-9月の雇用コスト指数が「1.3%」上昇し、過去最大の伸びとなりました。労働力不足を背景に、あらゆる産業が報酬を引き上げ、賃金上昇圧力にさらされていることが浮き彫りになりました。業界別ではクレジット仲介業界が「+7.7%」と突出しており、金融・保険も「3%」増と続いています。
パンテオン・マクロエコノミクスのチーフエコノのミストは「労働力に復帰する人が増えるにつれ、賃金の伸びは減速する見込みだとしながらも、ただし、それが起こらない場合、資産価格が深刻な圧力を受けることになり、米金融当局は想定よりも早期の利上げを強いられる可能性がある」と述べています。同氏は、インフレ懸念が継続し、最早FRBは「一過性」との考えを捨てざるを得なくなり、早ければ6月にも利上げ開始を余儀なくされると分析をしています。(ブルームバーグ)インフレ圧力が続く中、株式市場では金利上昇局面が続くと利益確定の売りに押され、「調整局面」が見られる場面もありますが、それは長くは続かず再び上昇に転じ、最高値を更新する展開が続いています。米株式市場にはETFを通じ巨額の資金が、それも世界中から集まっていると見られます。
それらの資金が株価を支え、押し上げる好循環が続いています。高値警戒感はあるものの、「船に乗り遅れないように」と、米株式市場では資金流入が止まりません。これが「リスクオン」につながり、低金利の円が売られる一因にもなっています。
31日(日)に中国の10月PMIが発表され、製造業PMIは、拡大・縮小の節目である「50」を割り込み、「49.2」でした。これで、2カ月連続で「50」を割り込み、製造活動が縮小していることを示す結果となっています。中国国家統計局は、「電力需要がなお逼迫しており、一部の商品価格がさらに上昇したことが原因である」と説明しています。中国ではGDPの減速も鮮明で、中国人民銀行は年末までに、預金準備率の引き下げなどを通じて、景気刺激への政策を講じる可能性が高まっています。
本日は政権安定もあり、株式市場は上昇が見込まれます。それに伴って円が売られる公算が高いとみています。上値のメドは引き続き114円台半ばから115円にかけてのゾーンかと思います。この水準を抜けない限り、水準を大きく変える可能性はなく、目先の重要なゾーンと捉えています。
本日の予想レンジは113円90銭~114円70銭程度とみています。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円は反発し114円台を回復。NYではPCE指数が予想通り高く、インフレ懸念からドル円は114円09銭まで買われる。ユーロドルでもドル高が進み、一時は1.1535近辺まで下落。(イメージ写真提供:123RF)
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2021-11-01 11:00