【為替本日の注目点】ミシガン大学消費者マインド10年ぶりの低水準

ドル円は朝方には売られ、113円77銭まで下落したが、米金利の上昇に114円台を回復する場面も。大きな値動きもなく小動きの中、取り引きを終える。ユーロドルは小幅に続落し、1.1433まで売られ、直近安値を更新。株式市場は3指数が揃って続伸。ダウは179ドル高となり、ナスダックは156ポイント高と、上昇が目立った。債券は小幅に売られ、長期金利は1.56%台へと上昇。金は続伸し、1868ドル台に。原油は反落。 11月ミシガン大学消費者マインド(速報値) → 66.8  ドル/円     113.77 ~ 114.02 ユーロ/ドル   1.1433 ~ 1.1462 ユーロ/円    130.22 ~ 130.55 NYダウ   +179.08 → 36,100.31ドル GOLD     +4.60 → 1,868.50ドル WTI      -0.80 → 80.79ドル 米10年国債  +0.012 → 1.561% 【本日の注目イベント】 日   9月鉱工業生産 日   9月設備稼働率 中   10月小売売上高 中   10月鉱工業生産 米   11月NY連銀製造景況業指数  金(きん)の上昇が目立った他、特に大きな動きはありません。金は、先週発表された10月のCPIが前年比6.2%の上昇と、記録的なインフレを示したことで買われています。NY市場では一時1871ドルまで買われ、約5カ月ぶりの高値を付けています。インフレヘッジとして金への資金流入が続いている模様です。  バイデン大統領と習近平主席が15日にバーチャル形式で会談することになりました。台湾問題や中国の経済慣行などが協議されるようですが、両国の関係は冷えており、この会談で大きな成果は期待できない模様です。協議に先立ってブリンケン国務長官と中国の王毅外相が電話で協議した際にも王外相は、「米国が本当に台湾海峡の平和を守りたいなら、いかなる台湾独立につながる動きにも明確かつ断固として反対すべきだ」と釘を刺すことを忘れず、一方米国は「懸念する分野について大統領が遠慮することはない」と、サキ報道官が述べています。(日経新聞)両国とも関係の改善に向けた協議と位置付けてはいますが、今年9月9日以来となる電話会談である点は評価されるものの、余り期待はできそうもありません。  ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は足元で進行しているインフレについて、米金融当局は過剰に反応すべきではないと指摘しました。カシュカリ総裁はCBSの番組で、「家計が支払っている高い価格は本物で、人々は現在その傷みを経験している」と述べ、「われわれはそれを非常に深刻に受け止める必要があるが、その痛みが本物であっても、そうした一時的な要因の一部に過剰反応する必要がないというのが私の見解だ」と語っています。(ブルームバーグ)またイエレン財務長官は、米国では新型コロナウイルスの感染を制御することがインフレ抑制へのカギとなるとの考えを示しています。イエレン長官は同じくCBSの番組で、「今回のインフレの要因は新型コロナウイルスだと認識することが重要だ」と発言し、「インフレ率を下げたいのであれば、われわれが出来る最も重要なことはコロナ対策で進展し続けることだと考える」と述べています。さらにインフレがどこまで続くかについては、「労働供給や需要パターンが正常化すれば、インフレ率が2022年後半までに鈍化し、物価は正常に戻ると考える」と話しています。ディース国家経済会議(NEC)委員長も、「企業や高所得者への増税を通じて財源が十分に確保されるため、追加支出でインフレが高進することはない」と語っています。一方「高インフレをあなどってはいけない」と再々にわたり警告を発してきたサマーズ元財務長官は、インフレの勢いは「重大な政策調整またはインフレ率が2%のレンジに戻る前に景気を減速させる不幸なアクシデントをもたらす水準にまで積み上がっている」と指摘しています。  直近10月のCPIは1990年以来となる高水準を記録しましたが、金融当局は依然として、その期間は別としても、「一時的だ」との認識を維持しており、サマーズ氏のように、それはもはや「一時的」なものではなく、いずれFRBの行動が手遅れになるとの警告を発するなど、見方が大きく分かれています。FRBが後手に回れば、その後の政策金利の引き上げは予想以上に急ピッチになる可能性もあり、インフレを巡る対応が今後のドル円の水準にも大きく関わってきます。  本日のドル円は株価が再び上昇傾向を示し、リスクオンに傾きかけていることから、113円60銭~114円40銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円は朝方には売られ、113円77銭まで下落したが、米金利の上昇に114円台を回復する場面も。大きな値動きもなく小動きの中、取り引きを終える。(イメージ写真提供:123RF)
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2021-11-15 09:45