【為替本日の注目点】ドル円小動きながら114円台半ばで堅調に推移

NY市場が休場のためドル円は小動き。東京時間から緩やかなジリ高が続き、114円65銭近辺までドルが買われた。ユーロドルはほぼ横ばい。1.13台後半から1.14台半ばで推移。 ドル/円  114.31 ~ 114.65 ユーロ/ドル 1.1392 ~ 1.1434 ユーロ/円  130.51 ~ 130.82 NYダウ  ------ → 35,911.81 GOLD  ------ →  1,816.50ドル WTI  ------  →  83.82ドル   米10年国債  ------ → 1.784% 本日の注目イベント 日 11月鉱工業生産 日 日銀金融政策決定会合 日 黒田日銀総裁記者会見 独 1月ZEW景気期待指数 欧 OPEC月報 英 12月失業率 英I LO(9-11月)失業率 米 1月NY連銀製造景況業指数 米 1月NAHB住宅市場指数 米 企業決算 → ゴールドマン  先週末のNYで113円台半ばまで売られたドル円は底堅く推移。NY市場が休場だったため動きそのものは緩慢だったものの、「閑散に売りなし」の格言通り、ドル円は114円台前半からジリ高となり、欧州時間には114円65銭近辺までドルが反発しました。先週末のNYのドル最安値から1円以上も値を戻したこととなり、値動きが少ない状況にしては結構な値幅です。113円台半ばではドルへの需要が強いと見ることもできそうですが、どうでしょう。  今日の東京時間は日銀の決定会合とその後の黒田総裁の会見待ちですが、基本的にはNYが参入して来るまで動きは限定的とみられます。FOMCが来週に迫ったことでブラックアウト期間に入り、メンバーからの発言もありません。そんな中、JPモルガンのダイモンCEOは14日、米金融当局が最大7回の利上げを実施する可能性があるとアナリストらに語ったと伝えられています。この7回という数字が「今年7回」なのか、「今後7回の利上げがある」という意味なのかははっきりしませんが、「高騰するインフレと闘うため最大7回の利上げ」( as many as 7 times tofight rising inflation )という言い回しのようです。すでに市場では今年4回の利上げが浸透しており、39年ぶりの高インフレ発表後はバイアスが加速しているように思えます。  一方でやや想定外なのが、ECBによる利上げ観測の後退です。ユーロ圏でもインフレは進み、12月の消費者物価指数は「5.0%」と、ユーロ創設以来最も高い水準でした。米国ほどではないものの、ECBの物価目標を大きく超えているは事実です。昨年12月は主要国で最初にイギリスが利上げに踏み切り、早ければ3月にもFRBがこれに次ぎます。そして、その後には当然ECBが続き、その時期は夏前ごろではないかと予想していましたが、バークレイズ・リサーチなどは、ECBの利上げ時期を2023年に後退させています。その理由として、「新型コロナウイルスの動向からして、2022年は成長率が低下し、インフレがより持続する可能性が高い。しかし、来年後半には需給ギャップが縮小し、2023年のインフレ率は2%を下回るだろう。このため今年のECBの政策にはサプライズはなく、2023年末には利上げが開始されるだろう」と分析しています。仮にこの見通しのような展開になるとすれば、1.14台後半まで買われたユーロドルは再び1.12割れを目指す動きになると予想されますが、ECBメンバーの中には、今後も続く高インフレを抑えるため早期の利上げに踏み切るべきだという意見も根強くあります。  東京都を含む1都6県が「まん延防止等重点措置」の申請を行うことを決めました。政府は本日にも協議を行う予定ですが、申請が認められれば制限期間は、2月11-13日頃までの3週間程度になる模様です。NY州では知事が「オミクロン変異株の感染のピークは過ぎた模様だ」と宣言しましたが、国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長は、オミクロン変異株の急速な感染拡大がパンデミックの終焉を早めるのか判断するのは時期尚早だと述べています。一方、ファイザー製薬のブーラCEOは仏フィガロ紙とのインタビューで、「間もなく通常の生活を再開できるだろう」と述べ、「春にそうできる態勢は整っている。検査、非常に効果的なワクチン、自宅で可能な一次治療が全て利用できるようになったことが大きい」と話しています。同時に同CEOは「ただ、コロナが消えてなくなるという意味ではない」と注意を促し、「新型コロナのパンデミックが始まって以来、多くの予想外の事態が起きた。極めて根絶が難しいウイルスと、われわれは恐らく長年共存していかなければならないだろう」と続けています。(ブルームバーグ)  先週の底値から1円以上も値を戻したことで、短期的な値動きを示す「1時間足」では雲を上抜けし上昇傾向を示しています。115円台に乗せることが出来れば、再び上昇トレンド回復に期待が持てますが、114円80-85銭辺りに軽い抵抗線があり、ここを抜けることが出来るかどうかにも注目しています。  連休明けのNYで株式市場がどのような動きを見せるのか。また高値圏にあるWTI原油価格の動きも気になるところです。 本日のドル円は114円20銭~115円程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)
先週末のNYで113円台半ばまで売られたドル円は底堅く推移。NY市場が休場だったため動きそのものは緩慢だったものの、「閑散に売りなし」の格言通り、ドル円は114円台前半からジリ高となり(イメージ写真提供:123RF)
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2022-01-18 09:45