パイプドビッツは底打ちして出直り、東証1部市場への市場変更も刺激材料
情報資産プラットフォーム事業のパイプドビッツ <3831> (東マ)の株価は3月安値で底打ちして反発の動きを強めている。中期成長期待に加えて、4月24日に発表した東証1部市場への市場変更も刺激材料となって出直りの動きが本格化しそうだ。
国内最大規模の情報資産プラットフォーム「スパイラル」を基盤として、情報資産プラットフォーム事業(データ管理などのクラウドサービス提供)、広告事業(アフィリエイトASP一括管理サービス「スパイラルアフィリエイト」など)、およびソリューション事業(ネット広告制作、アパレル・ファッションに特化したECサイト構築・運営受託、子会社ペーパーレススタジオジャパンのBIMコンサルティング事業など)を展開している。
主力の情報資産プラットフォーム事業では政治・選挙関連、アパレル・ファッション関連、美容関連、会計関連、人事考課・採用関連、薬剤・医療材料関連、地域密着型SNS関連、自治体広報関連、建築情報関連などに事業領域を広げている。14年3月にはASP/SaaS型コールセンタープラットフォームサービス「BizBase」を提供するアズベイスを完全子会社化した。情報資産プラットフォームの機能強化・拡充を推進する方針だ。ソリューション事業のECサイト構築・運営受託もネット通販市場拡大が追い風だ。
4月23日には、子会社ペーパーレススタジオジャパンと五洋建設 <1893> がBIM推進に関する業務提携で合意したと発表した。BIMは建築生産プロセスのグローバルスタンダードとしての普及が期待され、ペーパーレススタジオジャパンは12年5月にBIM建築情報プラットフォーム「アーキシンフォニー」の提供を開始している。今回の業務提携で、五洋建設の設計・施工技術とペーパーレススタジオジャパンのBIM技術を融合し、国内特有の契約形態・設計・施工案件におけるBIMコンストラクションマネジメントの推進を目指すとしている。
今期(15年2月期)の連結業績見通し(3月31日公表)は売上高が前期比27.1%増の32億円、営業利益が同23.9%増の7億円、経常利益が同23.7%増の7億円、純利益が同22.6%増の4億20百万円としている。主力の情報資産プラットフォーム事業が順調に拡大して全体を牽引する。広告事業では「スパイラルアフィリエイト」を中心に販売活動を強化し、ソリューション事業ではビッグデータ関連の大型案件獲得を目指す。
14年3月発表の「中期経営計画2017」では、15年2月期から17年2月期を「次世代ITベンダーへと革新する3ヵ年」と位置付けて、目標数値に17年2月期売上高92億円、営業利益28億円を掲げている。情報資産プラットフォーム事業が牽引して中期的に収益拡大基調だろう。
なお4月24日、東京証券取引所から5月20日付で東証1部市場への市場変更の承認を受けたと発表した。同時に東証1部銘柄指定の要件を充足するため立会外分売を実施すると発表した。分売予定株式数は25万株、分売予定期間は5月14日~5月19日、分売値段は分売実施の前日の終値もしくは最終気配値を基準として決定する。
株価の動きを見ると、3月20日安値1040円をボトムとして反発し、3月30日発表の今期好業績見通しも好感して、4月4日の1765円まで急伸した。その後は目先的な過熱感などで戻り一服の形だが、大きく下押す動きは見られない。3月安値で底打ちを確認し、中期成長力を評価する動きだろう。
4月24日の終値1439円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS53円86銭で算出)は26~27倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間16円で算出)は1.1%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS271円44銭で算出)は5.3倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線が接近して目先的な過熱感が解消した。また週足チャートで見ると13週移動平均線を突破し、26週移動平均線も突破の動きを強めている。強基調に転換して出直りが本格化しそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
情報資産プラットフォーム事業のパイプドビッツ<3831>(東マ)の株価は3月安値で底打ちして反発の動きを強めている。
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2014-04-25 09:00