【為替本日の注目点】NYダウ一時1100ドルを超える下げのあとプラスに

ウクライナ情勢の緊迫からドル円は欧州時間に113円47銭前後まで売られる。NYでは株価が反発したことから午後にかけて買い戻され、114円まで上昇。ユーロドルは小幅に水準を切り下げ、1.1291までユーロ売りが進む。ウクライナ情勢や経済指標の悪化に株式市場は朝方から大きく売られる。ダウは一時1100ドルを超える下げを見せたが、その後大きく反発。引け値では99ドルのプラスで取引を終える。債券は小動き。長期金利は1.76%台で推移。金は反発し、原油は続落。 1月マークイット製造業PMI(速報値)       →  55.0 1月マークイットサービス業PMI(速報値)     →  50.9 1月マークイットコンポジットPMI(速報値)    →  50.8 ドル/円  113.60 ~ 114.00 ユーロ/ドル 1.1291 ~ 1.1335 ユーロ/円  128.33 ~ 129.07 NYダウ  +99.13 → 34,364.50 GOLD  +9.90 →  1,841.70ドル WTI  -1.83 →  83.31ドル   米10年国債  +0.009 → 1.767% 本日の注目イベント 豪 第4四半期消費者物価指数 豪 12月NAB企業景況感指数 独 1月ifo景況感指数 米 11月FHFA住宅価格指数 米 11月ケース・シラ-住宅価格指数 米 1月消費者信頼感指数 米 1月リッチモンド連銀製造業景況指数 米 IMF、世界経済見通し発表 米 企業決算 →  マイクロソフト、GE、ロッキード、アメックス、ベライゾン、J&J、3M  ウクライナ情勢の一段の緊張の高まりや、経済指標の下振れを背景に、週明けの米株式市場は乱高下の展開でした。NYダウは朝方から売りが先行し、午前中には1100ドルを超える下げに。午後からは買い戻しが入り、引けにかけてはプラスに転じ、結局99ドル高と7日ぶりに上昇して取引を終えました。他の主要指数もほぼ同じような展開でした。ドル円は株価の下げにリスク回避の円買いが優勢となり、欧州市場では113円47銭近辺まで売られましたが、その後のNYでは114円辺りまで反発し、株価の動きに引っ張られる展開でした。今月14日に記録した113円48銭が意識されたようで、昨日の下落も結局、この前後がサポートになった感じです。  緊張が高まっているウクライナ情勢を巡ってNATOは24日、同国周辺の東欧地域に加盟国の艦船や航空機を増派すると発表しました。フランスはルーマニアに部隊を派遣し、オランダはブルガリアに戦闘機を送り、デンマークはバルト海にフリゲート艦を派遣することを決めた(日経新聞)と報じられています。また米国防総省の報道官も24日、必要ならNATO部隊を支援するため8500人の米軍部隊の準備態勢を高めたと述べ、同部隊の派遣はまだ決定していないと説明しています。バイデン大統領は、独仏を含む欧州主要国や国際組織の首脳らとウクライナ国境でのロシアの軍事力増強についてオンラインで会談を行っています。バイデン大統領は会談後、「非常に良い話し合いを持てた。欧州首脳全員と完全に一致した」と説明しています。このように、ウクライナ情勢を巡ってはこれまでにない緊張が高まっており、地政学的リスクは金融市場にとっても大きな「変動要因」になっています。  IHSマークイットが発表した米1月のPMI速報値が急激に悪化していました。コンポジットPMIは「50.8」と、前月から「6.2」ポイント低下し、18カ月ぶりの低水準でした。またサービス業PMIも「50.9」と、2020年7月以来の低い水準です。同指数は「50」を上回ると生産活動が拡大しており、「50」を下回ると縮小していることを示唆するものです。米国ではオミクロン変異株の感染拡大はピークを過ぎたとの指摘もありますが、サービス業を中心に再び警戒感が広がってきたことを示しているようです。  ドル円は今のところ113円台半ばでサポートされています。上でも述べたように、この水準は今月14日の下落でも抜け切れなかったレベルですが、テクニカルから見てもここには日足の一目均衡表の雲の下限があり、理解できます。ただこの雲は非常に薄く、さらに雲の形態が切り上げっているため、このまま113円70-80銭で推移すれば、結果的に雲を下抜けしたことにもなります。その場合、ローソク足が自ら雲を下抜けしたのとは異なり、下落の勢いが強いわけではありませんが、一応注意した方がいいでしょう。ローソク足が雲の下で推移するのは昨年9月22日以来のこととなります。 本日のドル円は113円60銭~114円30銭程度を予想しています。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)
ウクライナ情勢の緊迫からドル円は欧州時間に113円47銭前後まで売られる。NYでは株価が反発したことから午後にかけて買い戻され、114円まで上昇。(イメージ写真提供:123RF)
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2022-01-25 10:00