【為替本日の注目点】ハイテク株が買われ、ナスダックは大幅続伸

ドル円は115円台半ばから反落。主要通貨に対してドルが売られたこともあり、ドル円は一時115円台を割りこむ。ユーロドルは反発。1.11台半ばから1.1248まで買い戻しが入る。ドイツのCPIが予想を上回ったことも材料となった。株式市場はハイテク株を中心に大幅に続伸し、ナスダックは400ポイントを超える上昇。他の2指数も揃って大きく買われる。債券は小幅に下落。長期金利は1.78%近辺で推移。金は4日ぶりに反発。原油は続伸し88ドル台に。 1月シカゴ製造業指数    →  65.2 ドル/円  114.92 ~ 115.48 ユーロ/ドル 1.1153 ~ 1.1248 ユーロ/円  128.69 ~ 129.37 NYダウ  +406.39 → 35,131.86 GOLD  +9.80 →  1,796.40ドル WTI  +1.33 →  88.15ドル   米10年国債 +0.007 → 1.777% 本日の注目イベント 豪 12月小売売上高 豪 RBA、キャッシュターゲット 日 12月失業率  独 1月雇用統計 独 1月製造業PMI(改定値) 欧 ユーロ圏12月失業率 欧 ユーロ圏1月製造業PMI(改定値) 英 12月消費者信用残高 英 1月製造業PMI(改定値) 米 1月ISM製造業景況指数 米 1月マークイット製造業PMI(改定値) 米 1月自動車販売台数  日米で株価が揃って大幅に反発し、先週後半まで続いていたリスク回避の流れも「やや一服」といったところです。日経平均株価は週明け月曜日も朝方はマイナスで始まりましたが、その後プラスに転じ、結局284円高で取引を終えました。ドル円も株価の上昇に呼応するかのように115円60銭辺りまで買われましたが、その後はもみ合いの中、NYでは115円を割り込む場面もありました。ユーロドルが1.11台前半で下げ止まり反発したことも、ドル売り円買いを促したものと推察できます。NY株式市場では好決算を発表したアップルなどが大きく上昇してナスダック指数をけん引し、先週末比3.4%の上昇を見せました。1月半ばから大きく売られたことから、「自立反発」との声もありますが、3月のFOMCでは利上げが開始されることがほぼ確定的なこともあり、まだまだ乱高下がありそうです。  ブルームバーグが集計した大手金融機関の2022年度の米利上げ回数を見ると、かなりばらつきがあります。これは、それほど不確実性が高いということと、状況次第では回数が大きく変わる可能性があるということかと思います。最小で3回、最多で7回という結果になっていますが、最もタカ派的な見通しはバンク・オブ・アメリカが予想する7回です。0.25%で7回の利上げということは、3月に利上げを開始して全ての会合で利上げが実施されるというものです。仏BNPパリバは11月以外の会合で6回の利上げを見込んでいます。上げ幅も0.25%と変わりません。ゴールドマンとシティーグループは0.25%で5回の利上げ。モルガンスタンレーが4回で、最も少ないのが英バークレーズで3回の予想です。共通するのが、現時点では3月に利上げが開始され、上げ幅は「0.25%」だということです。少なくとも上記大手金融機関では「0.5%」の利上げは予想していないということになります。アトランタ連銀のポスティック総裁は先週、英フィナンシャル・タイムズ紙(FT)とのインタビューで、「インフレ抑制でより積極的なアプローチが必要な場合、政策金利の0.5%引き上げを選択することもあり得る」との見解を示しましたが、その可能性は極めて低いということだろうと思います。  本日はオーストラリア準備銀行(RBA)の政策金利発表が午後12時半にあります。オフィシャル・キャッシュレートの誘導目標は現行の「0.1%」に据え置くと見られますが、週に40億豪ドル(約3240億円)ペースで行ってきた債券購入プログラムを終了すると見られています。また利上げも今年7-9月の間に決定されると予想されています。足元では資源価格の上昇に伴い輸出が好調で、コロナ禍にもかかわらず雇用も拡大しています。昨年11月の失業率も予想を大きく下回ったことからRBAのロウ総裁は、債券購入終了を含む3つの選択肢を中銀が検討していることを先月述べていました。これは、再三繰り返してきた2024年初めの利上げといったRBAのガイダンスよりかなり早いタイミングになります。本日の会合では利上げの準備を行い、インフレ見通しを上方修正すると見られており、豪ドル・米ドルはこの動きを織り込む形ですでに昨日から上昇しています。  またBOEも今週3日の政策会合で0.5%の利上げを実施すると見られています。仮に予想通りであれば2会合連続の利上げということになり、これは2004年以降で初めてのこととなります。ポンド・ドルも乱高下しながらも上昇しています。今週は本日のRBAを皮切りに中銀の政策会合があるため、クロス円も大きく動く可能性があり、やや注意が必要です。 本日のドル円は114円80銭~115円60銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円は115円台半ばから反落。主要通貨に対してドルが売られたこともあり、ドル円は一時115円台を割りこむ。ユーロドルは反発。1.11台半ばから1.1248まで買い戻しが入る。(イメージ写真提供:123RF)
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2022-02-01 09:45