【中国IPO事情】中小企業向けの新興市場・北京の人気ぶりが際立つ

 中国市場におけるIPOは、今年も活発に行われている。1月31日から上海、深セン、北京の本土市場が春節(旧正月)の休場(2月4日まで)に入り、2月1日からは、香港市場も休場(2月3日まで)しているが、香港市場においてこそIPO件数はやや減少しているが、中国本土市場では相変わらず旺盛な新規上場が行われている。今年1月の各市場別のIPO状況を振り返ってみたい。  上海市場では、メインボードで今年1月5日に第1号案件であった中国移動(チャイナモバイル)の約550億元(約1兆円)の資金調達を伴う新規上場を皮切りに、活発な上場が行われた。1月の上場銘柄数はメンボードが3銘柄、新興企業向けの科創板に10銘柄だった。メインボードに上場した3銘柄は、いずれも公開価格を上回る初値で誕生し、公開価格に対して初値が平均16.47%上回った。科創板は、10銘柄のうち4銘柄が公開価格割れの初値となり、公開価格に対する初値の上昇率は平均で10.32%とメインボードよりも低くなった。  深セン市場では、メインボードに2銘柄、新興企業向け市場である創業板に14銘柄の新規上場があった。メインボードに上場した2銘柄は、いずれも公開価格を上回る初値を付け、その初値上昇率は19.96%だった。創業板に上場した14銘柄のうち2銘柄は初値が公開価格を下回ったものの、総じて初値は公開価格を大きく上回り、初値の平均上昇率は56.61%になった。中で、18日に新規上場した益客食品(301116)は、家禽の孵化と販売を行う会社だが、公開価格を3倍以上上回る初値を付けた。  中小企業向けの市場として注目を集める北京市場には、2銘柄が新規上場した。2銘柄ともに初値は公開価格を大幅に上回り、6日に上場した威博液圧(871245)は公開価格を2.9倍超上回り、18日上場の沪江材料(870204)も公開価格を約60%上回る初値で誕生している。  一方、海外投資家向けの市場として窓口の役割が期待される香港市場でのIPOは不活発だった。4銘柄が新規上場し、いずれも当初の募集価格レンジの下限で公開価格を決定して上場に臨んだものの、1銘柄は公開価格割れ、1銘柄は公開価格と同値で誕生し、初値の平均上昇率は5.51%と、2ケタの本土市場とは大きく見劣りする初値状況になった。(図版は、中国4市場の22年1月のIPO状況)
香港市場においてこそIPO件数はやや減少しているが、中国本土市場では相変わらず旺盛な新規上場が行われている。今年1月の各市場別のIPO状況を振り返ってみたい。(図版は、中国4市場の22年1月のIPO状況)
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2022-02-02 15:15