【香港IPO】香港の眼科医大手の清晰医療が上場準備、中国本土への進出を計画

 香港メインボードへの新規上場をめざす清晰医療(01406/香港)が2月10日から公募増資の受付を開始する。公募株数は1億3600万株で、公募価格は1株当たり1.60香港ドル~3.00香港ドル。公募による調達資金額は概算で2億4560万香港ドル(約36億円)を見込んでいる。2月18日の新規上場を予定している。  同社は香港で市場シェア5.0%を占める眼科医療サービス会社。SMILE手術(小切開角膜片摘出術)、多焦点IOL(intraocular lens)置換、ICL(眼内コンタクトレンズ)移植など、さまざまな屈折治療サービスの提供に重点を置いて、患者に包括的な眼科サービスを提供している。また、標準的な白内障手術、レーザー手術、PPV手術、その他の治療と手術、医療相談と検査サービス、患者への処方箋などの販売など、他の眼の問題に対してもさまざまな治療を提供している。香港においてSMILE手術市場の約38.0%、多焦点IOL交換市場の約6.0%、ICL移植市場の約46.4%のシェアがそれぞれある。  現在、同社のサービス体制は11人の開業医で構成され、そのうち、Dr.LauとDr.Huiは、同社の株式を1.5%程度保有する株主でもある。  同社は香港で4番目に大きな眼科医グループだが、香港の民間眼科サービス市場は、2016年の35億香港ドルから2020年には43億香港ドルと、年平均5.4%成長している。一方、香港の公共眼科サービス市場の収益規模は、2016年の38億香港ドルから2020年には42億香港ドルと年平均2.4%の成長率であり、民間の成長性が高くなっている。これは、LASEKやSMILE手術などの屈折治療サービスは民間でのみ提供されていること、公共部門における白内障手術の長い待ち時間などの課題があるためと考えられている。今後、民間の眼科サービス市場は2025年に59億香港ドルに達し、年平均6.4%の成長が予想されている。ただ、香港には2020年12月31日時点で、12の私立病院と20を超える私立眼科センターや医療機関があり、競争は激しい。  今後も新たな医療センターの設立と買収により、香港での市場での地位を強化していくとともに、「Clarity」というブランドで中国にプレゼンスを拡大するために、中国の眼科関連クリニック、外来部門、または、病院の持分を取得する計画を持っている。  2021年3月期の売上高は2.22億香港ドル(前期比1.83%増)、税前利益は4382万香港ドル(同32.11%増)。2022年7月期の4カ月間の売上高は7840万香港ドル(前年同期比19.79%増)、税前利益は737万香港ドル(同28.47%減)。  公募による調達資金約2億4560万香港ドルは、約45%を香港での2つの新しい医療センターの設立に、約30%を2つの眼科クリニックの買収に、約15%を中国本土への進出のための費用に充てる計画。(イメージ写真提供:123RF)
香港メインボードへの新規上場をめざす清晰医療(01406/香港)が2月10日から公募増資の受付を開始する。(イメージ写真提供:123RF)
china,economic,01406.hk
2022-02-04 15:00