アールテック・ウエノは調整のほぼ最終局面、好業績を評価して反発のタイミング

  創薬ベンチャーのアールテック・ウエノ <4573> (JQS)の株価は、全般地合い悪化も影響して軟調展開だが、足元では下げ渋り感を強めている。調整のほぼ最終局面で、好業績を評価して反発のタイミングだろう。なお5月14日に決算発表を予定している。   緑内障・高眼圧症治療レスキュラ点眼薬の製造販売、および米スキャンポ社の便秘症治療薬AMITIZA(アミティーザ)カプセル受託製造を主力としている。米スキャンポ社は、AMITIZAカプセルの日本と欧州での販売承認取得や米国での追加新薬承認取得、さらにレスキュラ点眼薬の米国上市など販売地域や適応の拡大戦略を推進している。   新薬開発は網膜色素変性、ドライアイ、アトピー性皮膚炎関連を中心に進めている。重症ドライアイに対する遺伝子組み換え人血清アルブミン(開発コードRU-101)点眼液は、13年4月に新薬臨床試験開始申請が米食品医薬品局(FDA)の承認を受けた。13年10月には網膜色素変性に対するウノプロストン(UF-021)点眼液の第3相臨床試験症例登録が完了した。そして13年11月には、RU-101点眼液の第1相/第2相臨床試験のステージ1を完了してステージ2の症例登録を開始している。   14年3月には慶應義塾大学医学部が開発した移植片対宿主病(GVHD)マウスモデルを用いて、GVHDに対する予防法および治療法の探索に関する共同研究を実施すると発表した。GVHDはドナー(臓器提供者)の臓器が免疫応答によって、レシピエント(患者)の臓器を攻撃することによって起こる症状の総称である。   4月24日には、独立行政法人国立病院機構九州医療センターと、当社が開発したVAP-1阻害剤を用いて、眼疾患での臨床応用を目指した研究に関する共同研究を実施することになったと発表した。現在開発中のVAP-1阻害剤の糖尿病網膜症や糖尿病黄斑浮腫への臨床応用の可能性の研究を進める。   前期(14年3月期)の業績(非連結)見通し(7月16日に増額修正)は売上高が前々期比16.6%増の53億08百万円、営業利益が同63.8%増の12億85百万円、経常利益が同47.7%増の13億15百万円、純利益が同52.2%増の8億55百万円としている。レスキュラ点眼薬は国内での薬価改定の影響一巡や北米市場への再上市、AMITIZAカプセルは北米向けの販売好調や価格改定、国内での承認取得などで好調に推移する。   第3四半期累計(4月~12月)は大幅増収増益となり、通期見通しに対する進捗率も高水準だったため通期再増額の可能性が高いだろう。レスキュラ点眼薬とAMITIZAカプセルの販売数量は国内・北米とも増加基調であり、今期(15年3月期)も収益拡大基調だろう。   株価の動きを見ると、2月4日1102円から2月13日1549円まで一旦切り返す場面もあったが、その後は全般地合い悪化も影響して水準切り下げの軟調展開が続いている。4月11日には2月安値を割り込んで1070円まで下押す場面があった。ただしその後は1100円近辺で下げ渋りの動きを強めている。調整のほぼ最終局面のようだ。   4月24日の終値1082円を指標面で見ると、前期推定PER(会社予想のEPS44円32銭で算出)は24~25倍近辺、前期推定配当利回り(会社予想の年間25円で算出)は2.3%近辺、実績PBR(前々期実績に株式200分割を考慮したBPS423円33銭で算出)は2.6倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線、週足チャートで見ると13週移動平均線が戻りを押さえる形だが、足元では下げ渋る動きとなった。好業績を評価して反発のタイミングだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
創薬ベンチャーのアールテック・ウエノ<4573>(JQS)の株価は、全般地合い悪化も影響して軟調展開だが、足元では下げ渋り感を強めている。
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2014-04-25 09:00