【上海IPO】国家級グリーン鉱山企業の金徽工業股フェンが11日に公募開始、9800万株発行予定

 上海証券取引所メインボードへの上場を目指している、金徽工業股フェン(金徽股フェン、603132/上海)は11日に公募を開始する。9800万株を発行予定で、公募価格は9日に決定する。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。  同社は2011年設立の民間企業で、非鉄金属の鉱山資源開発を手がけている。亜鉛精鉱、鉛精鉱および鉛精鉱に含まれる銀の採掘、取引を主業務とし、亜鉛や鉛の鉱山調査、亜鉛や鉛の精製時に生じる金や銀などの貴金属およびその副産物の開発、加工、取引、鉱産物情報コンサルティング業務も経営範囲に含まれる。売上の6割以上が亜鉛精鉱、約2割が鉛精鉱、約1割が銀を含む鉛精鉱となっている。2020年における亜鉛精鉱生産量の全国シェアは2.14%、鉛の全国シェアは1.59%。  亜鉛は銅、アルミニウムについで生産量、消費量の多い常用非鉄金属であり、高い耐腐食性を持つことから鉄の保護層として、あるいは他金属との合金として建築、自動車、メカトロニクス、化学工業などの分野に広く用いられている。鉛も常用非鉄金属の一つであり、鉛蓄電池、電気ケーブルの絶縁体、鉛箔、プレス製品、鉛合金、弾薬などに応用される。中国には世界の17.6%に相当する4400万トンの亜鉛資源が、20%に相当する1800万トンの鉛資源が埋蔵している。また、世界の亜鉛消費量は2015年以降1300万トン台、鉛消費量は1100〜1200万トンで推移しており、中国での消費量が世界全体に占める割合は亜鉛が51%、鉛が40%以上にのぼる。  同社は「生態型、環境保護型、安全型、観光型、デジタル化」によるグリーン鉱山開発をコンセプトとしており、2020年には自然資源部から「国家級グリーン鉱山企業」に認定された。高効率な採掘、製錬技術、豊富な鉱山資源探査の経験、環境保護への積極的な取り組みなどが同社の強みである一方、安全性や環境保護コストが一層高まるなかで資金力が弱いこと、現有の生産能力が小規模であること、鉱山が自然災害多発地域にあることなどのボトルネックも抱えている。また、非鉄金属は近年価格の変動が激しく、亜鉛、鉛、銀の市場価格が乱高下すれば同社の経営にとっても大きなリスクとなる。  同社の2020年12月期の売上高は12億5245万元(前期比11.60%増)、純利益は4億6289万元(同27.71%増)。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)
上海証券取引所メインボードへの上場を目指している、金徽工業股フェン(金徽股フェン、603132/上海)は11日に公募を開始する。9800万株を発行予定で、公募価格は9日に決定する。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。(イメージ写真提供:123RF)
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2022-02-07 17:15