【為替本日の注目点】WTI原油価格7日ぶりに下落

ドル円は小動きの中緩やかに下落。一時は114円93銭まで売られたが115円台に戻して引ける。ユーロドルは前日とほぼ同水準で推移。株式市場はもみ合いながら下げ基調に。ダウは辛うじてプラス圏で取引を終える。ナスダックとS&P500は下落。債券はほぼ横ばい。長期金利は1.91%台で推移。金は続伸。原油価格は7日ぶりに下げる。 12月消費者信用残高     →  18.898b ドル/円     114.93 ~ 115.17 ユーロ/ドル   1.1418 ~ 1.1456 ユーロ/円    131.41 ~ 131.76 NYダウ     +1.39 →  35,091.13 GOLD    +14.00 →  1,821.80ドル WTI      -0.99 →  91.32ドル 米10年国債  +0.008 →  1.916% 【本日の注目イベント】 豪  1月NAB企業景況感指数 日  12月貿易収支 日  12月国際収支 日  1月景気ウオッチャー調査 欧  マクロン大統領、ウクライナ訪問 米  12月貿易収支 米  企業決算 →  ファイザー 加  12月貿易収支 ウクライナ情勢は日増しに緊迫感が高まっているようです。昨日この欄で、「素人考えでは、北京オリンピック開幕中にロシアがウクライナに侵攻する可能性は低いのでは」とコメントしましたが、やはり素人考えのようです。ホワイトハウスのサリバン大統領補佐官はABCテレビの番組で、「ロシアはオリンピック開催中でもウクライナに軍事進攻する可能性がある」と述べています。 バイデン大統領はホワイトハウスでドイツのショルツ首相と会談し、ロシアがウクライナに侵攻した場合、米独で一致した対ロ制裁を行うことを確認しました。ショルツ首相は、ロシアとドイツを結ぶ天然ガスパイプライン「ノルドストリーム2」計画は進まないと強調し、「結束して対応する。全ての必要な措置を取る」と語っています。また、支持率低下に直面しているフランスのマクロン大統領は訪問先のロシアでプーチン大統領と会談し、「戦争を回避し、信頼、安定、予見可能性を築くための有益な対応を模索している」と話しています。プーチン大統領はこれに対して、「欧州の安全保障の分野で起きていることに懸念を共有している」と答え、フランスは危機解決に向けて多くの取り組みを行っているとの認識を示しています。4月の大統領選で再選を目指すマクロン氏は、今回の危機解決に向け「仲介役」を果たそうと積極的な外交を進めており、本日はウクライナを訪問する予定です。ロシアのウクライナ侵攻についてマクロン氏は、「即座に奇跡が起きるとは考えていないが、楽観的に構えている」と述べています。 1月の雇用統計発表を終えた月曜日のマーケットは比較的大人しい動きでした。115円台半ばまで買われたドル円は緩やかに下落し115円台を割りこむ場面もありましたが、再び115円台に戻しており、ユーロドルは先週末の水準とそれほど変わっていません。米長期金利も1.91%台で推移し、高止まりといったところです。ただ、世界的なインフレを背景に日本の円金利が上昇傾向を強めています。昨日の債券市場では、新発10年債の利回りが一時「0.205%」まで上昇しました。これは2016年以来6年ぶりの水準になります。金利上昇は長期金利だけではなく、30年債や40年債といった超長期金利も上昇し、それまでマイナス圏で推移していた5年債もプラス圏に浮上しています。長期金利に対する現行の日銀の政策スタンスは、「ゼロ%を中心にプラスマイナス0.25%」であることから、長期金利がさらに上昇し、0.23%前後では日銀が「指し値オペ」に出て来る可能性が高いと債券トレーダーは分析しています。昨日の東京株式市場で銀行株が大きく上昇した背景には、金利上昇が利ザヤの拡大を通じて金融機関の利益増大につながるといった思惑もあったようです。 利上げ観測が徐々に高まっているユーロ圏ですが、ラガルド総裁は欧州議会で、「今後入って来るデータへの注視を続け、中期的なインフレ見通しに対する影響を慎重に分析する」と発言し、「政策を調整する場合は常に漸進的に行う」と述べ、拙速に結論を急ぐ必要はないとの認識を示しました。 市場は10日に発表される米1月の消費者物価指数に注目しています。1月の雇用統計を受け、再び利上げが加速されるといった見方が強まり、投資家は今年5回の利上げを織り込みつつあります。また利上げ幅も「0.5%」を予想する市場関係者が徐々に増えている状況です。ただ、市場の趨勢は「FRBは年前半には利上げを急ぎ、その後はデータを見ながら適切に対応するだろう」といった見方です。また、利上げ幅についても「3月会合での0.5%引き上げの可能性は低い」といったものです。ただし、それでも1月のCPIが予想を上振れするようだと、利上げ加速を一気に想定し始めることも考えられ、10日のCPIが非常に重要になります。 本日のドル円は114円80銭~115円60銭程度と予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円は小動きの中緩やかに下落。一時は114円93銭まで売られたが115円台に戻して引ける。ユーロドルは前日とほぼ同水準で推移。株式市場はもみ合いながら下げ基調に。ダウは辛うじてプラス圏で取引を終える。(イメージ写真提供:123RF)
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2022-02-08 10:00