【北京IPO】ワイヤーハーネス製造の上海威貿電子が10日に公募開始、2059万株発行予定

北京証券取引所への上場を目指す、上海威貿電子股フェン(威貿電子、833346/北京)が10日に公募を開始する。2059万株を発行予定で、公募価格は9.00元。公募終了後速やかに上場する見込みだ。
同社は1998年設立の民間企業で、2015年に株式会社化した。ワイヤーハーネスや射出成形アセンブリの研究開発、生産、販売を主業務とする。製品は小物を中心とした各種家電、工業自動化、POS端末、各種計器、自動車、大型印刷機、高速鉄道、医療設備などの分野に幅広く応用されており、300あまりのシリーズ製品、3000種類あまりのモデルを揃える。仏SEB、寺岡精工、独フォアベルク、独ebm−papstといった大手企業との長期的な提携関係を構築している。2021年1〜6月期における売上構成はワイヤーハーネスが66.73%、射出成形アセンブリが22.47%。
中国の自動車生産台数は2006年の約730万台から2020年には約2500万台と3倍以上に増加し、これに伴い同社の主力製品であるワイヤーハーネス製品の需要も大きく伸びた。自動車メーカーによるコスト重視、中国のワイヤーハーネス企業の成長に伴い、中国の自動車用ワイヤーハーネス製品は世界の自動車サプライチェーンにおける存在感を強めつつある。また、家電製品についても、2020年からの新型コロナ感染拡大による需要減はあったものの、中長期的には中国の産業構造変化、国民の収入安定、消費の多様化、国によるクリーン産業、スマート産業発展政策などを要素とした家電買い換え需要が見込まれ、ワイヤーハーネス製品の安定的な販売が期待できる。新エネルギー車、スマート家電市場の急速な成長も、同社にとっては追い風となる。
同社は業界において製品の技術力、品質管理、顧客資源、研究開発力といった点で強みを持つ一方で、専門人材や資金の不足、生産ラインの人件費コストの高さ、生産拠点の面積不足による生産能力拡大困難といったボトルネックを抱えており、世界の大手ワイヤーハーネス企業とは大きな実力差がある。このほか、顧客が少数の企業に集中していること、銅などの原料価格の乱高下といったリスクがある。新規上場による調達資金での生産能力拡大や、さらなる顧客の開拓により業績を伸ばし、数千もの企業がひしめく中国国内のワイヤーハーネス業界をリードし、世界の大手企業に肩を並べる実力の獲得を目指す。
2020年12月期の売上高は1億7231万元(前期比9.77%増)、純利益は2808万元(同8.08%減)。2021年1〜9月期の売上高は1億6940万元(前年同期比42.80%増)、純利益は2786万元(同28.38%増)。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)
北京証券取引所への上場を目指す、上海威貿電子股フェン(威貿電子、833346/北京)が10日に公募を開始する。2059万株を発行予定で、公募価格は9.00元。公募終了後速やかに上場する見込みだ。(イメージ写真提供:123RF)
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2022-02-08 17:45