【深センIPO】自動車サスペンション部品の江蘇紐泰格科技が11日に公募開始、2000万株発行予定

深セン証券取引所創業板への上場を目指す江蘇紐泰格科技(301229/深セン)が2月11日に公募を開始する。2000万株を発行予定で、公募価格は20.28元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。
同社は2010年設立の民間企業。自動車のサスペンションシステム、内装、外層のアルミニウム鋳造部品の研究開発、生産、販売を主業務とする。サスペンションのショックアブソーバーアッパーマウント、サスペンションや内外装のプラスチック部品など、環境に優しい自動車部品製品も手掛ける。BASF、テネコ、ZFフリードリヒスハーフェン、KYB、TOYO TIREなどの国内外の自動車部品メーカーとの業務提携関係を持ち、製品はフォルクスワーゲン、マツダ、ホンダ、ゼネラル・モーターズ、日産、吉利、奇瑞、長安汽車などの自動車に用いられている。2021年1〜6月期における売上の構成比は、アッパーマウントが約40%、サスペンション用プラスチック部品が約20%、内外装用プラスチック部品が約10%となっている。
世界の自動車部品市場は1990年代より自動車生産台数の増加に伴って持続的な成長を見せ、2012〜2018年には年平均約4%成長した。しかし、19年にはマイナス成長に転じると、20年は新型コロナの影響により前年比15〜20%減少した。一方で中国の自動車部品業界は安定的な経済成長、国の産業政策などにより成長を続けており、自動車部品売上高は18年に前年比でマイナスとなったものの19年にはプラスに転じ、20年も新型コロナの影響を世界に先駆けて脱したことでプラスとなった。中国の自動車市場はまだ飽和状態に達していないこと、自動車の軽量化、電動化に伴う新たな部品需要が高まっていることから、同社が扱う軽量なアルミ鋳造部品、プラスチック部品の需要増も期待できる。
一方で、売上の50%近くをBASFに依存しており、BASFとの提携関係に変化が生じれば経営に大きな影響を及ぼすリスクを抱えている。また、材料費用が製造コストの50%以上を占めることから、アルミニウムやプラスチック粒子など材料価格の大きな変動も経営リスクとなりうる。さらに、世界的な半導体供給不足に伴い各国の自動車メーカーが生産台数を減らしていることも同社にとっては大きな不安要素だ。このほか、内外装部品の生産加工体系の充実、当局によるアルミニウム鋳造品生産能力拡充規制、部品販売価格の下落などの課題やボトルネックが存在する。
2021年12月期の売上高は5億4872万元(前期比10.71%増)、純利益は5251万元(同8.56%減)。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)
深セン証券取引所創業板への上場を目指す江蘇紐泰格科技(301229/深セン)が2月11日に公募を開始する。2000万株を発行予定で、公募価格は20.28元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。(イメージ写真提供:123RF)
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2022-02-09 19:30