樹脂材料製造の山東聯創産業発展集団、リチウムイオン電池向けPVDF年産5万トン生産プロジェクト発表

深セン証券取引所の創業板に上場している、山東聯創産業発展集団(300343/深セン)は2月10日、年産5万トンのポリフッ化ビニリデン樹脂(PVDF)生産プロジェクトへの投資枠組み合意書に署名したことを発表した。
同社は江西黒猫炭黒股フェン(002068/深セン)、中国電力工程顧問集団西南電力設計院、中国能源建設集団天津電力建設有限公司とともに内モンゴル自治区烏海市政府との間で、同市ハイテク産業開発区低炭素産業パーク内における年産5万トンのPVDF産業チェーンおよび0.6ギガワットグリーン発電プロジェクトの投資枠組み合意を締結した。
合意内容によれば、同社は江西黒猫とともに新会社を設立し、新会社が年産5万トンのPVDF産業チェーンプロジェクトを進める。両プロジェクトの投資総額は約72億元で、そのうちPVDFプロジェクトは約41億6000万元となっている。
PVDFはフッ素系樹脂の中で特に高い機械的強度を持つほか、耐薬品性、加工性、難燃性に優れる。リチウムイオン電池用バインダー(電極活物質結着剤)に用いられており、リチウムイオン電池を主な動力源とする新エネルギー車市場の急速な拡大に伴い、PVDFの需要も高まっている。同社の公告によれば、中国国内では現在年産8万2500トンのPVDF生産能力があるといわれており、年産5万トンの生産拠点建設は大規模なプロジェクトと言える。同社の現時点のPVDF生産能力は年産3000トンであり、本プロジェクト以外に1万1000トンの生産能力拡大を進めている。本プロジェクトは同社の現有技術、管理能力、人材資源といった面で大きなチャレンジとなりそうだ。
同社は2003年設立の民営企業で、2012年8月に深セン創業板に上場した。ポリウレタン樹脂やフッ素系材料の生産、販売を手掛ける。2021年1〜9月期の売上高は12億3652万元(前年同期比9.85%減)、純利益は1億6287万元(同658.29%増)。2021年12月期の業績予告では、当期損益が2億9000万〜3億4000万元の黒字(前期は8738万元の赤字)となっている。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)
深セン証券取引所の創業板に上場している、山東聯創産業発展集団(300343/深セン)は2月10日、年産5万トンのポリフッ化ビニリデン樹脂(PVDF)生産プロジェクトへの投資枠組み合意書に署名したことを発表した。(イメージ写真提供:123RF)
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2022-02-11 00:00