【為替本日の注目点】WTI原油価格95ドル台に

ドル円は115円近辺から上昇。米長期金利の上昇に115円75銭まで買われた。ユーロドルではドル高が進み、1.1280近辺までユーロ安に振れる。株式市場は続落。依然としてウクライナ情勢が重石となりダウは171ドル下落。プラス圏で推移していたナスダック指数はほぼ横ばいで取引を終える。債券は下落。長期金利は1.95%台まで上昇。金は7日続伸し1869ドルに。原油も大幅に買われ95ドル台に。 ドル/円  115.37 ~ 115.75 ユーロ/ドル 1.1280 ~ 1.1331 ユーロ/円  130.21 ~ 130.92 NYダウ  -171.89 → 34,566.17 GOLD  +27.30 →  1,869.40ドル WTI  +2.36 →  95.46ドル   米10年国債 +0.050 → 1.987% 【本日の注目イベント】 日   10-12月GDP(速報値) 日   12月鉱工業生産(確定値) 独   独2月ZEW景気期待指数 欧   ユーロ圏12月貿易収支 欧   ユーロ圏10-12月期GDP(改定値) 英   英1月失業率 米   1月生産者物価指数 米   2月NY連銀製造景況業指数 加   カナダ1月住宅着工件数  ウクライナ情勢を巡りやや明るい兆しは見せたものの、依然として緊張は高まったままのようです。今週中にもロシアはウクライナへの侵攻を開始するとの報道もありますが、ロシアではラブロフ外相が、欧州での安全保障を巡る自国の要求について米国および米同盟国との協議を続けるべきだと、プーチン大統領に述べたと伝えられています。プーチン氏はその直後ショイグ国防相とも会談し、ショイグ氏は、現在実施中の大規模軍事演習の一部は既に終了し、その他の演習も追って終了予定だと報告したとしています。また、部隊を基地に戻す計画については明言しなかったものの、他の複数の当局者は、演習が終了すれば部隊は帰還するだろうと述べています。(ブルームバーグ)  一方でサリバン大統領補佐官は13日CNNとのインタビューで、「ごく間近に大規模な軍事行動が起きる確かな可能性がある」と発言していました。G7財務相は、緊迫するウクライナ情勢を受け、ロシアがウクライナに侵攻した場合、「迅速かつ協調された強力な対応を取る」との声明文を発表しました。ロシアに対して大規模な金融制裁を行うと同時に、ウクライナに対して経済支援を行うことも発表しています。昨日の夜のNHKテレビ「NW9」では、NHKのキャスタ―が在日ロシア大使のガルージン氏に直接、ロシアによるウクライナ侵攻の可能性を問う番組がありました。大使は流暢な日本語で「ロシアは戦争をする意図も計画もない」と明言していましたが、それでも最後に、ロシアは「軍事技術的な措置を取る可能性はある」と微妙な言い方をしていました。「軍事技術的な措置」が何を意味するのかについては触れていませんでしたが、結局はプーチン氏の判断が全てなのでしょう。  商品市場ではロシアのウクライナ侵攻に備える動きが活発化しています。WTI原油価格は昨日も大きく上昇し、95ドル台後半まで買われています。軍事侵攻が開始されると原油供給が逼迫するといった読みのようですが、さらに世界を襲っている「寒波」の影響から、原油需要も高水準のようです。また金価格も上昇し、昨日は7日続伸し、一時は1876ドル台まで買われる場面もありました。世界的な金利上昇が見られるなか、金利のつかない金には不利な状況かとは思いますが、「有事の金」といったところでしょうか。また、本来なら安全資産の「債券」が買われ、金利が低下するところですが、今回はFRBによる利上げが見込まれることから債券は売られ、金利上昇につながっています。  FOMCメンバーによる発言も相次いでいます。タカ派の代表格であるセントルイス連銀のブラード総裁は14日、高インフレに対応するため7月1日までに政策金利を合計で100ベーシスポイント引き上げ、FRBのバランスシート縮小を4-6月に開始することが望ましいとの見解をあらためて示しました。ブラード氏は、「計画されている緩和解除をより従来よりも前倒しする必要がある」と指摘し、「(元FRB議長の)アラン・グリーンスパン氏が一度も目にしことがなかった数字が出ている」とし、「問われているのはわれわれの信頼性であり、われわれはデータに応じて行動しなくてはならない」と語っています。リッチモンド連銀のバーキン総裁は、「パンデミック前の水準に向けて踏み出し、着実に戻っていくのは時宜にかなっている」と述べ、正常化への着手を支持する意向を示しました。また、カンザスシティー連銀のジョージ総裁も、緩和解除を始めることが肝要との見方を示し、「7.5%のインフレ率とタイトな労働市場のなかで、ゼロ金利が正しい調整だとは思わない。一方で行き過ぎた誘導を避けるべきだとも考えている。従ってこの先重要になるのは、体系的であることであり、何に向っているのかを意思伝達することだと考えている」と述べています。(ブルームバーグ)ブラード総裁の超タカ派の意見に従えば、政策金利を3月に0.5%、5月、6月に0.25%引き上げることになるのでしょうか?  昨日のドル円は朝方には115円台半ばを超えていましたが、日経平均株価が700円を超える下げになったことで115円30銭台まで売られ、欧州市場では115円前後まで下げた後、NYでは115円75銭まで反発するなど、引き続き荒っぽい動きです。 本日のドル円は115円10銭~116円程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円は115円近辺から上昇。米長期金利の上昇に115円75銭まで買われた。ユーロドルではドル高が進み、1.1280近辺までユーロ安に振れる。(イメージ写真提供:123RF)
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2022-02-15 10:00