【北京IPO】半導体向け石英ガラス製品生産の北京凱徳石英が21日に公募開始、1500万株発行予定

北京証券取引所への上場を目指している、北京凱徳石英(835179/北京)が21日に新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。公募価格は20元で、1500万株を発行予定。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。
同社は1997年設立の民営企業で、2015年に株式会社した。石英機器、石英管、石英ボートなど石英ガラス製品の研究開発、生産、販売を主業務としており、製品は半導体集積回路(IC)チップ分野、太陽光発電分野を始めとする広い分野で利用されている。売上構成は半導体ICチップ向け石英製品が約70%、太陽光発電用石英製品が約30%となっており、中国本土だけでなくドイツ、米国、台湾にも販売されており、製品の種類は100種類ほどにのぼる。中国国内の市場シェアは1.68%で、競合する中国企業の中は大きなシェアを持つ。
石英ガラス製品は4〜6インチ製品がローエンド、8〜12インチ製品がハイエンドとされており、特にハイエンド製品は半導体製造に用いられるという特性上、高い純度と精度を必要とするために顧客である半導体メーカーの認証を取得するのに長い時間を要する。同社は12インチの石英ボートで中芯国際の認証を取得し、8インチ製品で日本の東京エレクトロンの認証審査を受けている。中国国内の石英ガラスメーカーは海外メーカーに比べて立ち上げが遅かったこともあってハイエンド製品の認証をほぼ取得できていないため、同社は中国企業の中では高い技術を持つ部類に入る。ただし、同社の主力はやはりローエンド製品であり、売上の90%前後を占めている。
日本やドイツ製の最新機器、技術的な蓄積、研究開発能力が同社の強みである一方、大きな発展に必要な8、12インチのハイエンド製品の生産能力が不足している、経営規模が小さいといったボトルネックを抱えており、上場に伴い調達する資金をハイエンド製品生産能力に充てる計画だ。また、高純度の石英材料の調達を海外に依存していること、推進しているハイレベル製品の認証に長い時間を要すること、今後材料メーカーが製品生産に乗り出して競争が激化する可能性があることなどが経営リスクとして存在する。
2020年12月期の売上高は1億6352万元(前期比5.84%増)、純利益は3444万元(同6.12%増)2021年1〜9月期の売上高は1億2046万元(前年同期比1.38%減)、純利益は3022万元(同41.35%増)。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)
北京証券取引所への上場を目指している、北京凱徳石英(835179/北京)が21日に新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。公募価格は20元で、1500万株を発行予定。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。(イメージ写真提供:123RF)
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2022-02-17 14:00