【上海IPO】液体化学品・石油製品水上輸送の興通海運が22日に公募開始、5000万株発行予定

上海証券取引所メインボードへの上場を目指している、興通海運股フェン(603209/上海)が2月22日に新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。5000万株を発行予定で、公募価格は21日に発表する。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。
同社は1997年設立の民営企業。中国国内沿海地域のバラ積み液体化学品、石油製品の水上輸送を主業務とする。2021年12月31日現在でバラ積み液体化学品輸送船、石油製品輸送船15隻を所有し、総輸送力は18万7300載貨重量トン数。21年6月30日現在で、中国国内のバラ積み液体化学品輸送セグメントにおける輸送力シェアが10.19%に達しており、同セグメントのリーディングカンパニーとなっている。
航路は中国の沿海地域および長江、珠江の中、下流を網羅しており、渤海湾、長江デルタ、珠江デルタ、北部湾など中国の主要化学工業産業地域の輸送ネットワーク体系を形成している。高水準の安全管理体系、輸送保障、高効率な輸送サービスを強みとし、中国石化を始めとする中国の大型石油化学企業と長期的に安定した戦略的パートナーシップを持つ。
中国では近年大型の石油精製工場が増えており、国内の石油精製能力は2010年の1日あたり1232万バレルから20年に同1669万バレルと年平均3.08%と世界全体を上回るペースで増加した。中国共産党・政府は第14次5カ年計画にて精製油の総生産能力を年間8.9億トンから10億トンまで増やす目標を掲げており、これに伴い石油製品を含む危険化学品の物流市場もさらに拡大し、20年の2兆元から25年には2兆8500億元にまで増える見込みだ。
一方、危険品の水上輸送はリスクの高さから国が厳しい監督管理を行なっており、現時点では外国企業の参入を制限しているが、今後の政策変更により参入が認められれば業界競争が激しくなることが予想される。また、運航の安全確保、環境保護といった点で大きなコストをかける必要があること、既存の輸送力では今後さらに高まる需要に対応しきれない可能性があることなどが、同社が抱える課題である。
2021年12月期の売上高は5億6686万元(前期比46.70%増)、純利益は1億9908万元(同約61.21%増)。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)
上海証券取引所メインボードへの上場を目指している、興通海運股フェン(603209/上海)が2月22日に新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。5000万株を発行予定で、公募価格は21日に発表する。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。(イメージ写真提供:123RF)
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2022-02-19 22:30