【為替本日の注目点】ウクライナ情勢の進展見られず

ドル円はNY市場が休場のなか、緩やかに下落し、114円73銭までドル安に。ウクライナ情勢の解決への兆しもなく、地政学的リスクが続く。欧州株式市場も軒並み下落し、ユーロドルはじり安となり、1.1306近辺まで売られる。英FTや仏CACも下げ、ロシア株式市場では2008年以来となる大幅な下げを記録。
ドル/円 114.73 ~ 114.97
ユーロ/ドル 1.1306 ~ 1.1391
ユーロ/円 129.76 ~ 130.90
NYダウ ------- → 34,079.75
GOLD ------- → 1,899.80ドル
WTI ------- → 91.07ドル
米10年国債 ------- → 1.929%
【本日の注目イベント】
独 独2月ifo景況感指数
米 12月ケース・シラ-住宅価格指数
米 12月FHFA住宅価格指数
米 2月マークイット製造業PMI(速報値)
米 2月マークイットサービス業PMI(速報値)
米 2月マークイットコンポジットPMI(速報値)
米 2月消費者信頼感指数
米 2月リッチモンド連銀製造業景況指数
米 ボスティック・アトランタ連銀総裁、オンライン討論会に参加
フランスのマクロン大統領の仲介により、条件付きとは言え「米ロ首脳会談」が実施されるとの報道もあり、昨日の東京時間でドル円は一旦115円台を回復し、500円以上も下げていた日経平均株価が下げ幅を大きく縮小する場面もありましたが、「具体的な計画はない」と、ロシア大統領府のペスコフ報道官が電話会見で述べており、実現するかどうかは不明のようです。そのようななかプーチン大統領は、ウクライナ東部の親ロシア分離主義勢力が実行支配する2地域を独立国家として正式に承認すると発表しました。この2つは、「ドネツク人民共和国」と、「ルガンスク人民共和国」で、この2つを独立国家として承認したことで、ウクライナへの侵攻がより可能となったとの見方があります。プーチン氏は、21日に時間は明らかになっていませんが、国民向けにテレビで演説する予定だとしています。ウクライナ情勢はむしろ悪化の一途を辿っているようで、ウクライナ侵攻が回避できるかどうかは、まさに「正念場」と言えます。
一方米国では、サキ報道官が21日の声明で、バイデン大統領が間もなく、親ロシア武装勢力が実行支配しているウクライナ東部地域への米国民の新たな投資、貿易、資金供給を禁じる大統領令を発令することを明らかにしました。サキ報道官は、「今日のロシアのあからさまな国際公約違反に関する追加措置も間もなく発表する」と説明し、「米国が同盟国と協力して準備してきた経済制裁に新たな措置が加わる」と述べています。(ブルームバーグ)こうした動きに対して欧州市場では、英、仏、独の代表的な株価指数は大きく売られ、ロシアの株価は一時17%程下げるなど、記録的な下落になっています。米株価先物指数も下げており、市場は急速に「ウクライナへの侵攻」を織り込む動きを見せています。
FRBのボウマン理事は21日、カリフォルニア州で開かれた会議の講演で、「私は3月の会合でのFF金利引き上げを支持する。私の想定通りに景気が進展すれば、数カ月中にも追加利上げが適切になる」と述べ、「インフレ抑制に向け強力な行動を取るべきだ」とし、0. 5ポイントの利上げの可能性に「肯定的な姿勢」を示しました。FRB幹部が0.5ポイントの利上げを容認する姿勢を見せたのは、筆者が知るかぎり初めてのことかと思います。市場では0.5ポイントの利上げを予想する向きが徐々に増えてはいますが、FOMCメンバーではセントルイス連銀総裁以外にはいません。今後の利上げ幅の議論に影響が出て来るかもしれません。
上でも述べたように、ウクライナ情勢は外交的解決の扉はまだ開かれてはいるものの、その扉も徐々に閉まりかけている印象です。連休明けのNY市場の動きが注目されますが、株安からリスク回避の円買いが続きそうな気配です。
本日のドル円は114円~114円90銭程度を想定しています。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円はNY市場が休場のなか、緩やかに下落し、114円73銭までドル安に。ウクライナ情勢の解決への兆しもなく、地政学的リスクが続く。欧州株式市場も軒並み下落し、(イメージ写真提供:123RF)
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2022-02-22 09:15