【上海IPO】毒蛇血清メーカーの上海賽倫生物技術が28日に公募開始、2706万株発行予定

 上海証券取引所の科創板への上場を目指す、上海賽倫生物技術(688163/上海)が2月28日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。2706万株を発行予定で、公募価格は33.03元。公募終了後速やかに上場する見込みだ。  同社は1999年設立の民営企業で、2015年に株式会社化した。抗血清抗毒素分野に特化したバイオ医薬企業として、生物毒素、生物の安全に関連する予防、治療薬物の研究開発、生産、販売を行なっている。毒蛇咬傷分野では中国国内唯一の特効薬である抗蛇毒血清シリーズ製品が同社の独占状態にあり、公衆衛生分野のニーズを満たしている。また、破傷風治療でもウマ免疫グロブリンを国内で唯一生産しているほか、抗狂犬病血清製品も主力製品となっている。2010年以降、中国の薬局方にあたる「中国薬典」の抗蛇毒血清、抗毒素抗血清基準制定に都度参加してきた。  中国の医薬市場は2014〜19年に年平均7.9%のペースで成長し、19年には1兆6407億元に達した。18〜30年は年平均6.3%のペースで増加し、30年には3兆2004億元に到達する見込みだ。中でもバイオ薬市場はなおも発展の初期段階にあり、市場規模は19年の3172億元から23年には6412億元に、30年には1兆3198億元にまで成長すると予想されている。  また、中国では毎年30万人以上が毒蛇に噛まれて治療を受けているとの統計がある。中国では2018年12月に毒蛇咬傷治療のコンセンサス文書が発表され、国内の医療機関における咬傷治療の規範化が進んだ。これにより同社の抗蛇毒血清製品の販売数も18年の7万9700本から20年には32.12%増の10万5300本にまで増えており、今後も安定した需要が見込まれる。  一方、今後国や地方当局が関連製品の価格制限政策を実施したり、新規参入者との競争が生じたりした場合には価格の低下が生じ、売上や利益が減少するリスクを抱えている。また、売上の98%が抗蛇毒血清シリーズ製品、ウマ破傷風免疫グロブリンに集中している点も価格変動リスクを増大させる要素の一つだ。このほか、ウマ破傷風免疫グロブリンの生産に必要なウマの調達状況の変化、国の基本薬物リストからの除外といったリスクや、製品の安全性について他業種よりも高いリスクが存在する。  2021年12月期の売上高は2億869万元(前期比12.47%増)、純利益は7680万元(同21.57%増)。(編集担当:今関忠馬)
上海証券取引所の科創板への上場を目指す、上海賽倫生物技術(688163/上海)が2月28日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。2706万株を発行予定で、公募価格は33.03元。公募終了後速やかに上場する見込みだ。
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2022-02-26 20:45