【北京IPO】ペット食品の山東路斯が28日に公募開始、1304万株を発行予定

北京証券取引所への上場を目指す、山東路斯寵物食品(832419/北京)が2月28日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。1304万株を発行予定で、公募価格は7.20元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。
同社は2011年設立の民営企業。ペット用食品の研究開発、生産、販売を主業務としており、主に干し肉製品、ペット用缶詰、ペット用ビスケット、歯磨きボーンを手掛ける。各種食品品質認証を取得しており、EU向け輸出認可、米FDA食品認証なども獲得している。また「中国軽工業ペット用品業界十強企業」に選ばれるなど、中国国内のペット用食品業界で一定の地位を確保している。製品は日本、米国、ドイツ、ロシア、フィンランド、韓国、オランダ、チェコなどの国にもOEM形式にて輸出され、海外での売上が全体の8割以上を占める。
世界のペット用品市場は成長を続けており、米国では2020年に市場規模が1036億ドルとなりこの10年でほぼ倍増した。今後数年も年平均4〜5%の成長が見込まれる。また欧州市場も多少の上下動はあるものの安定的なペット食品需要があり、特に欧州一のペット大国であるロシアではこの数年でペット食品市場規模が年8〜10%のペースで拡大している。また、高齢化の進むドイツでは散歩の必要がないネコ用食品の需要が増えており、日本も2010〜12年にかけてペット食品市場が縮小したものの、その後は高齢化に伴うペット需要の高まりとともに再び拡大に転じており、19年のペット食品の売上高は4254億円に達し、25年には4500億円を超えるものとみられる。
そして、中国でも経済成長に伴う国民の可処分所得増加により、この10年でペット消費市場は急速に拡大、2010年の140億元から20年には2065元と年平均30.88%の増加をみせた。今後も年平均10%を超えるペースでの増加が見込まれる。また、欧米のペット製品市場に比べて中国市場は食品の占める割合が高く、ペット食品を扱う同社としては好状況と言えるだろう。また、高齢化の加速、一人暮らし世帯の増加といった社会状況もペット業界にとっては追い風だ。
一方、中国のペット食品業界は勃興が遅く、海外の業界に比べて研究開発能力で劣るほか、業界の基準やルールの整備が不十分といった問題点を抱えている。また、国際的な大手ブランドの影響力が強く、新興企業が大手の牙城を崩してシェアを獲得するには大きな困難が伴う。同社はOEM生産による海外販売に大きく依存しており、中国国内の市場開拓が進んでいない。また、同業他社製品との同質化が進んでおり、高い競争力を持つ差別化が図れていない点も問題だ。オリジナルブランドづくり、研究開発強化により特に中国国内での競争力向上が、同社にとっての大きな課題である。
2021年1〜9月期の売上高は3億4201万元(前年同期比7.71%増)、純利益は2201億元(同28.44%減)。業績予告によれば、2021年12月期の売上高は4億2000万〜4億8000万元(前期比0.92%減〜13.23%増)、純利益は2900〜3500万元(同9.72〜25.19%減)の見込み。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)
北京証券取引所への上場を目指す、山東路斯寵物食品(832419/北京)が2月28日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。1304万株を発行予定で、公募価格は7.20元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。(イメージ写真提供:123RF)
china,conomic,ipo,832419,bj
2022-02-27 13:00