【為替本日の注目点】ウクライナ、ロシア交渉実施で合意

ドル円は115円台半ばから後半で推移。ウクライナ情勢に関するヘッドラインで上下しながらも、NY株の大幅高から底堅く推移。ユーロドルは前日の1.11台から反発。1.1274までユーロが買い戻される。株式市場は3指数が揃って大幅に上昇。ダウは834ドル高と今年最大の上昇を見せ、3万4000ドル台を回復。個人消費支出が高水準だったことや、ウクライナ情勢を受け、FRBが積極的な利上げを行う見通しが後退したことなどが材料に。債券は横ばいでほぼ変わらず。ウクライナ情勢の緊迫で買われた金は、利益確定の売りに押され大幅安。原油も反落し91ドル台に。 1月個人所得               →  0.0% 1月個人支出               →  2.1% 1月PCEデフレータ           →  6.1%    1月PCEコアデフレータ         →  5.2% 1月耐久財受注              →  1,6% 1月中古住宅販売成約件数         →  ‐5.7% 2月ミシガン大学消費者マインド(確定値) →  62.8 ドル/円    115.47 ~ 115.76 ユーロ/ドル  1.1212 ~ 1.1274 ユーロ/円   129.56 ~ 130.28 NYダウ  +834.92 → 34,058.75 GOLD   -38.70 → 1,887.60ドル WTI     -1.22 →  91.59ドル 米10年国債 -0.001 → 1.962% 【本日の注目イベント】 豪  豪1月小売売上高 日  1月鉱工業生産 米  ボスティック・アトランタ連銀総裁、オンライン討論会に参加 ウクライナはロシアとの交渉に前向きな姿勢を見せてはいましたが、その会談場所を巡り双方に隔たりがあり開催が危ぶまれていました。昨日、ウクライナ大統領府は、同国の代表団がロシア側とベラルーシ国境で交渉することで合意したと発表しました。交渉に関する日時などの詳細は不明ですが、代表団はすで首都キエフを出発したと報じられています。ただ、この交渉で戦闘が停止されるかどうかは分かりません。ロシアはすでにキエフ郊外にも軍を進めており、一般市民を含む多数の死傷者が出ている模様です。またロシア側にも死傷者が出ているようです。 ロシアに対する欧米の経済制裁は、ついに「SWIFT]にも及んできました。世界の銀行が加盟し、日々の送金や貿易に伴う決済を行う「SWIFT」から、ロシアの銀行が排除され、日本もこの制裁に参加することから、今後ロシアは金融的には孤立し、同国の経済に与える影響は大きいと見られます。日経新聞によると、ロシアの外貨準備は6300億ドル(約73兆円)で、そのうちドルとユーロなどの外貨が5000億ドルあり、円についても数兆円が日銀に預けられているようです。単純な例で言えば、在日ロシア大使館に勤務する大使館員への給料も円で受けとれなくなる可能性もあります。仮に自国通貨ルーブルで受け取っても、国内の金融機関で円に交換することも出来なくなる可能性があります。またロシアは金も1300億ドル相当保有していると見られますが、金はドルで決済されることから、金を売却出来たとしても受け取ったドルをルーブルに交換することができません。 さらに世界の投資家が、保有するロシア資産やルーブルを急いで売却しようとすることから、ルーブルの価格が急落する可能性があります。ロシア中銀が「ドル売り・ルーブル買い」の市場介入をしようにも、「SWIFT」が止められている以上、決済できません。「SWIFT」から排除の制裁を受けても直ぐにその影響は出ませんが、今後継続されればジワジワと自国経済あるいはロシア国民にも影響をもたらすと見られます。ただ、通貨ルーブルが売られとしてもその影響がドル円にどのように及ぶのかについては、不透明です。週明けの今朝も、早朝に115円を割り込む場面がありましたが、その後115円78銭までドルが買われるなど、荒っぽい動きを見せ、市場関係者もその影響を読み切れていない状況を映し出しています。 本日は先ずは日本株の動きに注目ですが、先週末のNYが大幅高だったことから堅調に推移すると見られますが、ここでも「SWIFT」の影響を読み切れない可能性があります。またドルが買われた際に、116円台に乗せることが出来るかどうかも焦点になります。116円台に乗せれば、約2週間ぶりです。 本日のドル円は115円10銭~116円10銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円は115円台半ばから後半で推移。ウクライナ情勢に関するヘッドラインで上下しながらも、NY株の大幅高から底堅く推移。ユーロドルは前日の1.11台から反発。1.1274までユーロが買い戻される。株式市場は3指数が揃って大幅に上昇。(イメージ写真提供:123RF)
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2022-02-28 09:45