【深センIPO】EC代理運営の青木数字技術が2日に公募開始、1667万株発行予定

 深セン証券取引所創業板への上場を目指す、青木数字技術(301110/深セン)が3月2日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。1667万株を発行予定で、公募価格は63.10元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。  同社は2009年設立の民営企業で、17年に株式会社化した。世界の著名ブランド向けのワンストップ型総合ECサービス提供を主業務とする。具体的にはEC代理運営サービス、ECチャネル販売、ブランドのデジタルマーケティング、技術ソリューション、顧客管理運営の各サービスを提供している。H&M、Zara Home、Skechers、Samsonaiteなどの著名ブランドをはじめ、服飾、かばん、靴、アクセサリー、ベビー用品、化粧品、ペット食品など幅広い分野に顧客を持つ。  EC代理運営サービスは主に天猫、京東などのプラットフォームに出店している顧客ブランドのショップを利用して行われ、ブランドの位置づけ、商品企画、顧客のターゲッティング、店舗の視覚デザイン、マーケティング、顧客のサービスや管理、在庫管理と物流、技術的支援などを提供する。また、デジタルマーケティングサービスではECプラットフォームやSNSを利用した大型販促活動やライブコマースを企画、実施する。  中国ではインターネットの普及が急速に進み、2020年12月現在の国内ネットユーザー数が9億8900万人に達した。特に最近では高い購買力を持つ中高年者への普及も進んでおり、50歳以上ユーザーが全体に占める割合が20年3月の16.9%から同年12月には26.3%にまで上昇している。また、オンラインショッピングユーザーは20年12月現在で7億8200万人にのぼり、EC取引規模も2011年の6兆900億元から20年には37兆2100億元と5倍以上に成長した。中でもBtoC小売額はCtoCを上回るペースで成長しており、消費レベルの向上、消費者のブランド、品質、サービスに対する意識の高まりに伴い、ECによるBtoC市場は今後もさらなる成長が見込まれる。  EC市場が拡大を続け、各ブランドがECプラットフォームでの販売を重視する中で、同社が持つEC販売運営の豊富な経験を求める企業、ブランドは今後ますます増えるものと見られる。特に中国国内市場のルールや中国人消費者について熟知していない国外ブランドからのニーズが期待できる。一方、中国のEC業界は天猫、京東などの大型プラットフォームがバリューチェーンの中で大きな権限を持っており、各プラットフォームのポリシー変更が同社の業務や業績に大きな影響を与える可能性がある。また、顧客の新規開拓、既存顧客との長期的な関係構築も安定的な経営やさらなる成長のためには不可欠だ。昨年、主要な顧客であるH&Mが新疆産の綿花不使用を宣言したことで中国国内で不買運動が発生、ECプラットフォームから商品が検索できなくなる事態となったように、顧客であるブランドのスキャンダル、トラブルも業績低下に直結するリスクと言える。  2021年12月期の売上高は8億7952万元(前期比35.58%増)、純利益は1億4772万元(同19.45%増)。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)
深セン証券取引所創業板への上場を目指す、青木数字技術(301110/深セン)が3月2日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。1667万株を発行予定で、公募価格は63.10元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。(イメージ写真提供:123RF)
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2022-03-01 16:45