【上海IPO】軍用飛行機地上支援設備の成都立航科技が3日に公募開始、1925万株発行予定

 上海証券取引所のメインボードへの上場を目指す成都立航科技(603261/上海)は3月3日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。1925万株を発行予定で、公募価格は19.70元。公募終了後速やかに上場する見込みだ。  同社は2003年設立、18年に株式会社化した。飛行機の地上支援設備、航空機の試験・検査設備、飛行機製造設備、飛行機部品の加工、組立など、飛行機関連の研究開発、設計、製造、販売を行う軍民融合企業である。主要製品はミサイル輸送車、エンジン取付車など戦闘機用地上支援設備であり、中国空軍、海軍の現役および新世代戦闘機、爆撃機、輸送機に広く利用されている。また、リーディングエッジリブ、ミッドリブ、隔壁などの飛行機部品は軍用飛行機のほかに民間用飛行機向けにも製造を行なっている。2021年1〜6月期の売上構成は、地上支援設備が46.60%、飛行機部品加工が31.46%となっている。  中国では経済規模の拡大に伴って軍事支出も年々安定的に増加する一方で、軍事費がGDPに占める割合は2%未満と米国の3〜5%に比べて低く、今後も軍事費が大きく増加していくことが見込まれる。また、今世紀中期には世界で一流の「空と宇宙を一体とし、攻防を兼備する戦略空軍」となる目標が掲げられており、軍事向け宇宙、航空分野のさらなる開発、発展が進むものとみられる。  また、中国の民間航空機市場も成長途上にあり、今後20年で約8000機の新たな需要が生じるとの予測もある。ARJ21やC919といった中国国産航空機の製造も進んでおり、飛行機部品の製造業界の見通しは明るいと言えそうだ。  一方で、軍備関連製品は品質に対する要求が厳しいほか、常に先進的な技術の開発が求められ、一度品質面で大きな問題が生じれば業績が大きな打撃を受けるリスクを抱えている。また、業界の特性上時期によって受注量に大きな波があり、年によって業績が激しく変動する可能性がある。さらに、軍による軍備関連製品の販売価格決定に時間がかかり、暫定価格にて取引するケースが多く、決定価格が暫定価格を大きく下回った場合には当期の業績が赤字となるリスクもある。  2021年12月期の売上高は3億981万元(前期比5.73%増)、純利益は7382万元(同6.48%増)。主に飛行機部品の加工、組立などの業務で売上が増加した。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)
上海証券取引所のメインボードへの上場を目指す成都立航科技(603261/上海)は3月3日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。1925万株を発行予定で、公募価格は19.70元。公募終了後速やかに上場する見込みだ。(イメージ写真提供:123RF)
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2022-03-01 22:30