【上海IPO】工業用自動検査モジュール製造の広州思林傑科技が3日に公募開始、1667万株を発行予定

 上海証券取引所の科創板への上場を目指す、広州思林傑科技(688115/上海)は3月3日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。1667万株を発行予定で、公募価格は65.65元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。  同社は2005年設立の民営企業で、20年に株式会社化した。工業の検査測定自動化分野に特化したハイテク企業であり、主にビルトインタイプのスマート機器モジュールなどの自動検査測定製品の設計、開発、生産、販売を手掛ける。製品やサービスは国内外の多くの著名企業から認められており、鴻海、広達(クアンタ)、VIVOなどの中国本土、台湾著名メーカーを顧客に持つほか、アップル、アンフェノール、東京エレクトロン、ソーラーエッジなどの海外企業からサプライヤー認定を受けている。  検査測定製品はコントローラ、デジタルサンプリング、電源系統、デジタルマルチメータ、電子負荷、オーディオ、バッテリーエミュレーション、信号系統の各モジュールからなる。また、機器用視覚システム製品として、スマートスキャナ、スマートカメラ、および視覚プラットフォームも扱う。売上構成は、ビルトインタイプ自動検査測定モジュールが全体の9割弱を占める。2020年の中国の電子測定機器市場におけるシェアは約0.57%。  国際的な情報技術の発展、電子測定機器の応用分野の拡大、5G、半導体、人工知能、新エネルギー、宇宙航空、国防など各業界の発展に伴い、汎用電子測定機器市場は持続的な成長を呈しており、2019年の世界市場規模は61億1800万米ドルで、24年には77億6800万ドルに達し、年平均4.89%のペースで成長する見込みである。中でも中国の電子測定機器業界は、経済の発展や各種産業の技術革新に伴って急速な発展の好機を迎えている。同社が手掛けるインターフェースが統一されたモジュール化測定システムは、各種自動検査の効率向上、コスト低下、フレキシビリティといった点で強みを持っている。  一方で、ハイペースな技術の改良や業務拡大に見合うハイレベルな人材の不足、モジュール化測定システムの普及が不十分、コンシューマー電子以外の分野における競争力不足といった課題を抱えている。また、日本や欧米に比べて業界の立ち上がりが遅く、生産規模や製品、技術の水準で今なお一定の隔たりがあり、国際的な競争では不利な状況が続いていることも問題だ。さらに、少数の顧客に取引が集中していること、半導体供給不足といった経営上のリスクも存在する。  2021年12月期の売上高は2億2224万元(前期比17.78%増)、純利益は6603万元(同5.10%増)。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)
上海証券取引所の科創板への上場を目指す、広州思林傑科技(688115/上海)は3月3日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。1667万株を発行予定で、公募価格は65.65元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。(イメージ写真提供:123RF)
china,economic,ipo,688115,sh
2022-03-02 15:45