【北京IPO】各種送風機メーカーの威海克莱特菲爾風機が7日に公募開始、1000万株を発行予定

北京証券取引所への上場を目指す、威海克莱特菲爾風機(831689/北京)が3月7日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。1000万株を発行予定で、応募価格は10.80元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。
同社は2001年設立の民営企業で、11年に株式会社化。送風機、送風冷却システムなどの送風、空気処理システム設備および部品の設計、研究開発、生産、製造を主業務とし、主に軌道交通の送風冷却設備、エネルギー関連の送風冷却設備、海洋プロジェクトおよび艦船の送風機、冷却塔、空冷機のファン、冷蔵機器ファンなどを手掛けている。同社の製品やサービスは信頼性の高さ、効率の高さ、低騒音、軽量、カスタマイズ能力の高さといった強みを持っている。売上構成では、18〜20年は軌道交通向けが4割前後を占め最も多くなっていたが、風力発電を中心とする新エネルギー分野の売上が急速に伸びており、21年1〜6月期には新エネルギー分野が35.52%で軌道交通を抜き最も多くなった。
送風機は新エネルギー、軌道交通、海洋船舶、宇宙航空、冷凍冷蔵など広範な分野で利用されており、中国経済の成長とともに送風機市場も拡大が続いている。中国通用機械工業協会によれば、19年に同協会の送風機分科会に所属する企業157社が生産した送風機は1802万台にのぼり、前年比で15.7%増加した。今後もハイペースでの成長が持続するものとみられる。送風機業界では競争が年々激しくなっているが、同社は関連国家標準1件、業界標準6件を制定するなど、細分化業界内で高い影響力を持っている。
一方で、業界内の競争が激しくなる中で同社の生産、検査測定キャパシティは既に飽和状態となっており、このままではさらなる需要増に対応できなくなるという問題点を抱えている。また、同社は欧米や日本への輸出を行なっており、売上の10%前後を占めている。米国を始めとする主要海外市場で貿易政策の変化、中国との経済摩擦激化が生じた場合に、海外向けの売上が大きく減少する可能性がある。さらに、経営コストの7割以上を占める原材料費の高騰が経営に大きな影響を与える可能性、売上構成比が高まっている風力発電向け市場で政府の電力価格引き下げ政策推進、資金補助政策の終了によって利益が圧縮される可能性といったリスクも抱えている。
2021年12月期の売上高は3億9156万元(前期比37.43%増)、純利益は4577万元(同80.24%増)。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)
北京証券取引所への上場を目指す、威海克莱特菲爾風機(831689/北京)が3月7日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。1000万株を発行予定で、応募価格は10.80元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。(イメージ写真提供:123RF)
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2022-03-03 19:15