【深センIPO】民営眼科医院の遼寧何氏眼科医院集団が10日に公募開始、3050万元発行予定

深セン証券取引所の創業板への上場を目指す、遼寧何氏眼科医院集団(301103/深セン)が3月10日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。3050万株を発行予定で、公募価格は42.50元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。
同社は2009年設立の民営企業で、18年に株式会社化した。眼病患者向けに眼科診療サービスと検眼サービスを提供する。診療サービスには白内障、緑内障、増殖性硝子体網膜症、ドライアイを含み、屈折矯正、視力訓練のほか、中医学による診療を含む。売上構成は診療サービスが約70%、検眼サービスが約30%となっている。
同社は遼寧省内において、地域の末端診療所(初級眼保健サービス)、中規模の眼科医院(二級眼保健サービス)、難病などの治療を行う大規模眼科医院(三級眼保健サービス)という3クラスに分けた診療サービスを展開しており、初級機関55か所、二級機関32か所、三級機関3か所を設置している。このほか、北京や上海、重慶などに9か所を設けている。
中国では経済の安定的な成長、国民の可処分所得増加に伴い、医療サービス市場の規模も拡大し続けている。中国の医療衛生費用総額は2009年の1兆7541億元から19年には6兆5841億元まで増加した。一方、1人あたりの医療衛生費用は15年時点で426米ドルとなっており、日本の3733ドル、韓国の2013ドル、ドイツの4592ドル、米国の9536ドルに比べるとなおも大きな隔たりがあり、今後も中国の医療市場は大規模な成長が見込まれる。
なかでも眼科医療サービス業界の発展は目覚ましく、中国の眼科医院の収入は2009年の38億7100万元から19年には324億7300万元にまで増加した。また、1988年にはわずか83人だった人口100万人あたりの白内障手術率が、17年には2205人にまで上昇した。しかし、先進国に比べるとまだ低い水準にあり、人口の高齢化も相まって中国における白内障治療は今後も高い水準で増加すると言えそうだ。さらに、青少年を中心に近視患者が増えており、18年には高校生の81%が近視と判定されるなど、青少年の近視率、近視人口が世界で最も多くなっており、視力矯正、屈折矯正のニーズも旺盛である。
同社は十分な医療技術と豊かな経験を強みとする民営医療機関として遼寧省内で発展してきたが、今後さらなる成長を見込むためには全国的なサービス体制の整備が不可欠だ。また、業務拡大に向けて優秀な人材を確保する必要がある。
2021年12月期の売上高は9億6245万元(前期比14.79%増)、純利益は8636万元(同13.48%減)。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)
深セン証券取引所の創業板への上場を目指す、遼寧何氏眼科医院集団(301103/深セン)が3月10日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。3050万株を発行予定で、公募価格は42.50元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。(イメージ写真提供:123RF)
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2022-03-08 22:15