【上海IPO】スマート製造設備の寧波均普智能製造が11日に公募開始、3億707万株を発行予定

 上海証券取引所の科創板への上場を目指す、寧波均普智能製造(688306/上海)が3月11日、新規上場(IPO)に向けた公募を開始する。3億707万株を発行予定で、公募価格は5.08元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。  同社は2017年設立の民営企業で、19年に株式会社化した。グローバルなスマート製造設備のサプライヤーで、主にカスタマイズ化された組み立て、検査用スマート製造設備、デジタルソフトウェアの研究開発、生産、販売を手掛けており、自動車工業、機械電子、消費財、医療健康などの分野で世界的に有名な製造業者にスマート製造のソリューションプランを提案している。特に、自動車パワートレインのフロント・リアアクスル駆動ユニット、自動車のアクティブ・パッシブセーフティシステム、新エネルギー車電気駆動システム、自動車電子HMI製品、自動車ポンプ製品、電動カミソリ、電動歯ブラシなどの分野におけるスマート製造設備で業界をリードする地位にある。  現在までにドイツとオーストリアの企業を買収し、中国、ドイツ、オーストリア、米国、カナダ、クロアチアに8大生産・開発拠点と3か所のアフターサービスセンターを持つグローバル業務体制を確立した。今後の方針として、新エネルギー車、医療健康、ハイエンド消費財などの成長著しくかつ大きな潜在性を持つ市場の開拓、製品のイノベーションに力を注ぐ。また、人工知能、工業ビッグデータ、デジタルツイン、5G、エッジコンピューティング、クラウドコンピューティングなどの技術を積極的に取り入れて製品の付加価値を高めることを目指す。  世界では各分野の製造業界で生産ラインの自動化、スマート化の波が押し寄せており、スマート生産システムインテグレーション市場が急発展を遂げている。市場規模は2015年の1843億米ドルから19年には3487億ドルにまで拡大した。なかでも世界最大の工業規模を持つ中国では産業構造の転換、急速に発展した情報技術との深い融合により、スマート製造に対するニーズは特に旺盛だ。中国の市場規模は16年の897億元から19年には1541億元と、年平均19.8%のペースで増加し、22年には3573億元に到達と予測されている。  同社はアジアや欧米に生産・開発拠点を持ち、グローバルな経営ネットワークを持っていること、自動車工業を始め幅広い分野を網羅し、製品のラインナップが豊富であること、工業のデジタル化に向けた包括的ソリューションプランを提案できること、優れた研究開発力、研究人材を確保していることなどを強みとする一方で、外国の大手企業に比べると経営規模が小さいほか、海外事業が売上の9割前後を占め、中国国内市場の開拓が進んでいないというボトルネックを抱える。また、海外事業への依存の高さにより新型コロナによる経営への影響を大きく受けたほか、化石燃料車の生産減少に伴う生産設備需要の低下などもリスク要因だ。  2021年12月期の売上高は21億3982万元(前期比26.85%増)、純利益は4316万元(前期は5383万元の純損失)。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)
上海証券取引所の科創板への上場を目指す、寧波均普智能製造(688306/上海)が3月11日、新規上場(IPO)に向けた公募を開始する。3億707万株を発行予定で、公募価格は5.08元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。(イメージ写真提供:123RF)
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2022-03-09 22:45