【香港IPO】EV大手の蔚來(NIO)が香港に新規上場、今夏に合肥の第二工場の稼働予定

 電気自動車メーカーの蔚來(NIO)(09866/香港)が3月10日、香港メインボードに新規上場した。同社は、2018年9月にNY証取に上場しており、この日から香港証取で香港ドル建ての市場取引が開始された。香港上場にあたって新株の発行はなかった。前日のNY市場での終値は20.17米ドル(1米ドル=7.82香港ドル換算で157.73香港ドル)だったが、上場初値は160香港ドルだった。その後、169.5香港ドルの高値を付けたが、午後に失速し160香港ドルを割り込んだ。  同社の社名「蔚來」は、「ブルー スカイ カミング(Blue Sky Coming)」を意味し、プレミアムスマート電気自動車市場のパイオニアである同社の企業理念を表している。2016年に電気自動車のスーパーカー「EP9」を発売して以来、業界をリードするバッテリー交換テクノロジー、Battery as a Service(BaaS)、独自の自動運転テクノロジーAutonomous Driving as a Service(ADaaS)など、継続的な技術革新を通じて差別化を図っている。  17年12月にフラッグシップになる6人乗りプレミアムスマートエレクトリックSUV「ES8」、18年12月に5人乗り高性能プレミアムスマート電動SUVの「ES6」、19年12月に5人乗りプレミアムスマート電動クーペSUVの「EC6」を発売し、21年1月にフラッグシッププレミアムスマートエレクトリックセダン「ET7」、21年12月に中型プレミアムスマートエレクトリックセダン「ET5」を発売した。  同社のEVに中国で広く受け入れられ、2021年9月までの9カ月間で「ES6」、「EC6」、および、「ES8」は、中国での販売量でプレミアムバッテリー電気SUVのトップ3になった。2020年には、1万861台の「ES8」、2万7945台の「ES6」、4922台の「EC6」を含む4万3728台の車両を納入した。 2021年には、2万50台の「ES8」、4万1474台の「ES6」、2万9905台の「EC6」を含む9万1429台の車両を納入した。2022年1月31日現在、「ES8」、「ES6」、「EC6」の累計納入台数は17万6722台に達した。  同社のEVのバッテリーは、中国にある世界最大手の電気自動車用の電池メーカーである寧徳時代新能源科技(CATL)から調達している。半導体チップのサプライヤーは米インテルの子会社のMobileyeと米Nvidia、米Qualcomm。また、安徽江淮汽車(JAC)との戦略的提携によって設立した安徽省合肥の製造工場では現在年間12万台の車両を製造しているが、これを22年上半期に24万台に拡大するとともに、22年第3四半期には合肥市新橋工業団地に建設している第2製造工場を稼働する計画だ。  2020年12月期の売上高は162.58億人民元(前期比2.07倍)、損失は51.66億人民元(前期の損失は114.64億人民元)。21年9月期(9カ月)の売上高は239.54億人民元(前年同月比2.66倍)、損失は20.42億人民元(前年同期は38.11億人民元の損失)。(イメージ写真は「ES6」、提供:123RF)
電気自動車メーカーの蔚來(NIO)(09866/香港)が3月10日、香港メインボードに新規上場した。(イメージ写真提供:123RF)
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2022-03-10 15:45