【深センIPO】透析チューブなど医療消耗品の寧波天益医療器械が23日に公募開始、1474万株発行予定

深セン証券取引所の創業板への上場を目指す、寧波天益医療器械(301097/深セン)が3月23日に新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。1474万株を発行予定で、公募価格は52.37元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。
同社は1998年設立の民営企業で、2016年に株式会社化した。血液浄化、病棟ケア分野の高分子消耗品などの医療機器の研究開発、生産、販売を主業務とする。比較的早い時期から同分野に特化しており、中国国内では高いブランド力を持つ。主要製品は体外血液循環チューブ、単回使用の血管穿刺器具、使い捨て酸素チューブ、フィーダー、栄養チューブなど。中国全土に販売網を持つほかに、アジア、欧州、北米、南米、アフリカの各国・地域にも輸出しており、21年1〜6月期の売上比率は国内販売が83.22%、国外販売が16.78%。売上ベースで19年における中国の体外血液循環チューブ市場シェア第2位である。
世界の体外血液循環チューブ市場規模は2015年の50億1000万元から19年には63億元と、年平均5.9%のペースで拡大、24年には83億4000万元となる見込みだ。中でも急速な高齢化が進んでいる中国では人工透析患者が急増し続けており、中国の体外血液循環チューブ市場規模は世界全体を遥かに上回る年平均10%以上のペースで成長している。15年の5億4000万元から19年には9億元に増え、24年には16億1000万元となる予想だ。また、中国では集中治療病棟が依然として少なく、今後政府の助成によって集中治療病棟が増加することが見込まれており、これに伴い体外血液循環チューブ市場規模も一層拡大することが期待される。
同社は体外血液循環チューブに関する国家標準制定に参加するなど、豊富な技術的経験や研究開発チームを持ち、臨床現場のニーズに合わせた製品開発体系を備えていること、成熟した生産技術に裏打ちされる充実した品質保障体制などの強みを持っている。一方で、市場ニーズの成長に対応するための生産能力が不足していること、世界的な大手医療機器メーカーに比べて経営規模が小さいことなどがボトルネックだ。競争の激化、材料価格の上昇により既存製品の利益率が今後低下する可能性があり、高い利益率の新製品を絶えず生み出すことが求められる。
2021年1〜12月期の売上高は4億1473万元(前期比9.46%増)、純利益は7829万元(同10.16%減)。22年3月期の業績予測は、売上高が8000万〜1億元、純利益が900万〜1300万元となっている。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)
深セン証券取引所の創業板への上場を目指す、寧波天益医療器械(301097/深セン)が3月23日に新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。1474万株を発行予定で、公募価格は52.37元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。(イメージ写真提供:123RF)
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2022-03-21 23:15