フォスターは連休の谷間の決算発表を前に安値水準で悪目買いも一考余地
フォスター電機 <6794> は、こと業績動向に関して「お騒がせ」銘柄である。決算発表のたびにサプライズがあるのだが、そのサプライズが、ポジティブとネガティブと明暗が分かれ、株価は急騰もすれば急落もする。
前日24日も、米アップル社の四半期好決算、増配、自社株式取得枠の拡大に反応して急続伸したものの、上値が重くなり伸び悩み、きょう25日は20円安の1255円と反落して3月28日につけた年初来安値1203円を覗いている。ただ同社は、ゴールデンウイークの谷間の最終日5月2日に3月期決算の発表を予定している。ここで開示される今2015年3月期業績の見通しが、今年2月の前2014年3月期業績の下方修正をカバーしてポジティブとなるかネガティブとなるか注目されるところで、年初来安値水準で底もみをしている株価についても、悪目買いに一考余地が出てくる。
■自動車向け強化の小型音響部品事業の寄与も注目ポイント
同社の業績は、携帯電話・スマートフォン用のヘッドセットの世界的な需要拡大を背景に大きく伸びてきたが、その過程では業績の上方修正、下方修正の起伏があった。主要顧客の米アップルのスマホ販売台数の増減や原材料のレアメタル価格の上昇・下落などが業績変動要因となってきた。今年2月の前2014年3月期業績の下方修正は、スマホ需要が、ハイエンド製品から中国ブランドのようなローエンド・ミドルエンドの低価格機種にシフトし、ハイエンド向けの需要が、期初予想を下回ったことが要因となった。純利益は、同製品用の固定資産処分損約20億円を計上、期初予想の48億円を26億円(前期比21%減)に引き下げ、減益転換する。
5月2日の決算発表で注目されるのは、この前期の落ち込みを今期にどの程度リカバリーできるかである。同社に先立って4月23日に1~3月期決算を発表した米アップル社の業績は、市場予想を上回っており、これに連動し、さらに今秋発売予定の「iPhone6」へ関連すれば、今期業績への期待も高まってくる。東洋経済会社四季報春号では、スマホ用単価下落を車載用スピーカーの続伸で補い、今期純利益は、特別損失一巡で41億円と観測している。今年1月にスター精密 <7718> から譲受けた自動車向け警報音用ブザーなどの小型音響部品事業の寄与度もポイントとなる。
■下方修正ベースでもPER11倍台、PBR0.6倍と下げ過ぎ
株価は、今年1月のアップル社の連続前年同期割れ業績に連動安して1565円と下ぶれ、続く同社の前期業績下方修正でマドを開けて年初来安値まで突っ込んだ。前期下方修正ベースでもPERは11倍台、PBRは0.6倍と下げ過ぎを示唆し、アップル関連株のなかでも最割安株に位置する。ここからの下値は逆張り妙味がありそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
フォスター電機<6794>(東1)は、こと業績動向に関して「お騒がせ」銘柄である。決算発表のたびにサプライズがあるのだが、そのサプライズが、ポジティブとネガティブと明暗が分かれ、株価は急騰もすれば急落もする。
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2014-04-25 10:30