【上海IPO】電子測定機器の普源精電科技が28日に公募開始、3033万株を発行予定

上海証券取引所の科創板への上場を目指す、普源精電科技(688337/上海)が3月28日に新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。3033万株を発行予定で、公募価格は60.88元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。
同社は2009年設立の民営企業で、19年に株式会社化した。汎用電子測定機器の研究開発、生産、販売を主業務とし、デジタルオシロスコープ、高周波系機器、波形発生器、電源および電子負荷、回路計、データ収集機器などが主な製品。自主開発のデジタルオシロスコープ用コアチップを搭載した製品の産業化に成功した唯一の中国企業である。製品は教育・研究、工業生産、通信、航空宇宙、交通・エネルギー、コンシューマーエレクトロニクスなどの幅広い分野で利用されており、欧州、米国、日本、シンガポールなどに子会社を設置してグローバル展開を進めている。21年6月末現在で386件の特許を取得しており、中国のオシロスコープ業界ではトップクラスだ。
2021年1〜6月期の売上構成はデジタルオシロスコープが51.86%、高周波系機器が14.86%、波形発生器が10.19%、電源および電子負荷が9.75%、回路計とデータ収集機器が4.19%となっている。
世界の電子測定機器市場は5G通信の商用化、新エネルギー車の普及など新世代技術の出現に伴って成長を続けており、市場規模は2015年の658億6900万元から19年には894億6900万元と年平均7.96%のペースで拡大。25年には1124億7600万元に達する見込みだ。特に中国市場は世界市場よりも急速に市場が拡大しており、15年の171億5400万元から19年には300億9300万元と年平均15.09%のペースで増加、25年には422億8800万元となり世界市場の約37.5%を占めるまで成長することが予測されている。
同社はオシロスコープ用コアチップを自主開発するなど技術的な強みを持つほか、デジタル化、自動化を実現した高効率、高品質な生産体制、優秀な研究開発人材といった点で国内の業界で優位性を持っている。一方で、世界をリードする測定機器企業に比べると生産規模が小さく、製品のラインナップも少ないなど、国際的な競争力を持つまでには至っていない。また、国内のデジタルオシロスコープ市場シェアも2019年時点で2.15%と、米キーサイト・テクノロジーの19.8%、米テクトロニクスの13.8%と外国企業に大きく水をあけられている。生産能力の拡大による国内シェア上昇とともに、国際的な販売、サービスネットワークのさらなる充実が同社にとっての大きな課題だ。
2021年12月期の売上高は4億8394万元(前期比36.63%増)、純損益は389万元(同85.65%の損失減) 。22年1〜3月の業績予測は、売上高が1億1960万〜1億2210万元(前年同期比29.46〜32.17%増)、純損失が30万〜160万元(同86.86〜97.54%の損失減)となっている。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)
上海証券取引所の科創板への上場を目指す、普源精電科技(688337/上海)が3月28日に新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。3033万株を発行予定で、公募価格は60.88元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。(イメージ写真提供:123RF)
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2022-03-25 22:45