【上海IPO】RNA診断試薬・システムの上海仁度生物科技、初値は公開価格を6.4%下回る

上海仁度生物科技(688193/上海)が3月30日、上海証券取引所の科創板に新規上場した。公開価格72.65元に対し、初値は6.40%低い68.00元だった。高値は72.00元まであったものの公開価格には届かず、終値は公開価格を7.89%下回る64.76元だった。
同社は2007年設立の民営企業で、20年に株式会社化した。リアルタイム蛍光核酸定温増幅技術(SAT)の特許を活かし、生殖器官、呼吸器、B型肝炎などの分子診断試薬と設備の一体化製品の開発、生産、販売を主業務としている。また、サンプリングから結果出力まですべてのプロセスを自動化したSAT検査装置を中国国内で初めて開発した。
2020年3月には新型コロナウイルス検査試薬キットの開発に成功するとともに、全自動分析システムによりサンプル採取から90分で検査結果の出力を実現。21年3月には世界初の新しいB型肝炎RNA検査キットが中国の薬事当局から認可され、発売を開始した。生殖器の感染分子診断分野では中国国内で28.5%のシェアを獲得し、国内トップとなっている。
2021年12月期の売上高は2億9230万元(前期比16.97%増)、純利益は6461万元(同5.28%増)。22年1〜3月期の業績予測は、売上高が7200万〜7800万元(前年同期比10.16〜17.08%減)、純利益が1250万〜1550万元(同20.26〜35.69%減)となっている。
新規上場に伴い調達予定の7億51万元(約135億円)は、約65%の4億5500万元を高精度診断試薬・インテリジェント設備の産業化開発プロジェクトに、約35%の2億4550万元を営業販売ネットワーク構築プロジェクトに用いる。(編集担当:今関忠馬) (イメージ写真提供:123RF)
上海仁度生物科技(688193/上海)が3月30日、上海証券取引所の科創板に新規上場した。公開価格72.65元に対し、初値は6.40%低い68.00元だった。(イメージ写真提供:123RF)
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2022-03-30 11:15