ＤＦＳギャラリア沖縄、「Ｔ　ギャラリア　沖縄」にリブランディング

　香港、マカオ、サイパン、グアム、ハワイ、シンガポール、ベトナム、オーストラリア、インドネシア、インド、アラブ首長国連邦など、アジア太平洋地域を中心に世界各地に店舗を展開して旅行者向け高級商品の販売を行うＤＦＳ（本社・香港）は２４日、東京ミッドタウン内のイベントスペース　アトリウムにて、「Ｔ　Ｇａｌｌｅｒｉａ　Ｅｘｈｉｂｉｔｉｏｎ　～Ｗｉｓｈ　Ｙｏｕ　Ｗｅｒｅ　Ｈｅｒｅ～」を開始した。会場では俳優の伊勢谷友介さんが代表を務めるリバースプロジェクトが制作したアート作品「Ｔ　ｉｎ　Ａｒｔ」が展示された。同イベントの会期は２６日まで。 　ＤＦＳの主力商品の４つの柱は化粧品・香水類、ファッション・アクセサリー、腕時計・宝石類、ワイン・洋酒で、いずれ有名ブランド・高級品を幅広くそろえている。米国人のチャールズ・フィーニー氏とロバート・ミラー氏が１９６０年に香港で設立した。その後、香港啓徳空港、ハワイのホノルル空港など、次々に店舗を増やしてきた。 　２４日のイベント開催式典で、同社のフィリップ・シャウス会長兼最高経営責任者（ＣＥＯ）は、「ＤＦＳは日本人によって作られたと言ってもよい」と説明。１９６４年の東京五輪をきっかけに、日本で海外旅行ブームが発生。旅先で海外の高級ブランド品を求める日本人のニーズをつかんで、同社は大きく成長したという。 　旅行者のニーズにもとづき、各地元の特産品の販売にも力を入れている。世界的なブランドと同様に、良質な品を選んでいることが特徴だ。高級品を取りそろえるだけでなく、複数言語対応可能な販売員をそろえ買い物客に丁寧な説明を行うなど、サービス面での高付加価値実現にも努めている。 　市街地にある大規模路面店の展開にも積極的に取り組んでいるが、２０１３年には、路面店「ＤＦＳギャラリア」を「Ｔギャラリア　ｂｙ　ＤＦＳ」とする、リブランドを始めた。「Ｔギャラリア」では従来に比べ取り扱いブランド数を増やし、有名ブランドによるオリジナル商品の投入にも力を入れるなど、これまで以上に顧客のニーズをとらえる努力をしている。 　日本で唯一、路面店を設置しているのは沖縄（那覇市内）で、出店から１０年目の今年（２０１４年）４月２５日に、新ブランド「Ｔギャラリア　沖縄」としてリニューアル・オープンした。 　シャウス会長兼ＣＥＯによると、そもそも沖縄に進出した理由はユニークな文化、海などすばらしい自然、日本人客にとって言葉の問題がないことで、観光地として大いに発展すると見込んだからだ。 　１０年前に「ＤＦＳギャラリア沖縄」としてオープンした時には沖縄を訪れる観光客は年間で５００万人だったが、２０１３年には６４１万人になった。うち日本人は前年比７．４％増の５８６万人で、外国人旅行者は４６．２％増の約５５万人だ。外国からの旅行者は台湾人が多いが、最近では中国大陸からの旅行客が急増しているという。 　ＤＦＳが新たに展開している「Ｔギャラリア」の「Ｔ」は「トラベラー（旅行者）」の頭文字だ。新ブランドの展開と同時に、同社は各地で、アート作品「Ｔ　ｉｎ　Ａｒｔ」の制作と展示イベントを展開している。各地のアーティストと契約して「Ｔ」文字をその人の解釈で表現してもらっているという。 　日本で「Ｔ　ｉｎ　Ａｒｔ」を手掛けたのは、俳優の伊勢谷友介さんが代表を務めるリバースプロジェクトだ。作品の展示会場は東京ミッドタウン内のイベントスペース　アトリウム。２４日には高さ約３メートルのリバースプロジェクト版「Ｔ　ｉｎ　Ａｒｔ」の除幕式が行われた。 　伊勢谷友介さんによると、リバースプロジェクトは「人類が地球に生き残るためにはどうするべきか？」という主題にもとづき、未来における生活を新たなビジネスモデルと共に創造していくための活動を続けている。 　そのため、「Ｔ　ｉｎ　Ａｒｔ」の制作にあたっては、間伐材を利用した素材を利用するなどの工夫をした。表面はアルミニウムでコートしているので近づいてながめると、自分の顔が映って見える。 　伊勢谷さんは「Ｔは日本語の『たび』の頭文字でもある。旅は自分自身を改めて見つめること。自分自身の鏡でもある」との考えを披露。作品に多くのスリットが設けられていることについては「スリットの先に見えてくるのは未来。旅を通じて自分自身と未来を見つめることになる」と説明した。 　写真左からＤＦＳグループのフィリップ・シャウス会長兼最高経営責任者、伊勢谷友介さん。サーチナ撮影。（編集担当：中山基夫）