【為替本日の注目点】ユーロ円、約7年ぶりに140円に

ドル円は上値が重く、東京時間に127円台後半まで下げたが、NYでは長期金利が再び上昇したことを受け反発。一時128円70銭までドル高が進む。ユーロドルは小幅に反発し、1.0896まで上昇。ユーロ円は一時140円まで買われ、2015年6月以来の高水準を記録。朝方は上昇して始まった株式市場は3指数が揃って下落。ダウは368ドル下げ、ナスダックと、S&P500は続落。債券は反落し、長期金利は一時2.95%まで上昇。パウエル議長が5月のFOMCで0.5ポイントの利上げに言及したことが材料に。金は3日続落し、原油は続伸。
新規失業保険申請件数 → 18.4万件
4月フィラデルフィア連銀景況指数 → 17.6
3月景気先行指標総合指数 → 0.3%
ドル/円 128.05 ~ 128.70
ユーロ/ドル 1.0830 ~ 1.0896
ユーロ/円 138.92 ~ 139.75
NYダウ -368.03 → 34,792.76ドル
GOLD ―7.40 → 1,948.20ドル
WTI +1.60 → 103.79ドル
米10年国債 +0.077 → 2.910%
【本日の注目イベント】
独 4月製造業PMI(速報値)
独 4月サービス業PMI(速報値)
欧 ユーロ圏4月製造業PMI(速報値)
欧 ユーロ圏4月サービス業PMI(速報値)
欧 ユーロ圏4月総合PMI(速報値)
欧 ユーロ圏2月経常収支
欧 ラガルド・ECB総裁講演
英 3月小売売上高
米 4月マークイット製造業PMI(速報値)
米 4月マークイットサービス業PMI(速報値)
米 4月マークイットコンポジットPMI(速報値)
5月のFOMCが近づく中、メンバーの多くがタカ派寄りの発言を繰り返していますが、昨日はパウエル議長が、5月の会合で政策金利を0.5ポイント引き上げることを含め、利上げの前倒しを支持する議論には評価すべき利点あるとの認識を示したことで、長期金利が大きく上昇。一時127円台後半まで売られたドル円は128円70銭近辺まで反発しました。朝方には大きく上昇して取引の始まったNY株式市場は、金利高を嫌気して大幅な下げに終わっています。これで、5月のFOMCでの0.5ポイントの利上げは、「確定的」と考えていいと思います。
ワシントンで開かれたIMF主催のパネル討論で議長は、「5月会合では0.5ポイントが選択視に入るだろう」とし、「インフレ率を2%に戻すべく金融政策手段を活用することに、われわれは全力で取り組んでいる」と述べています。また議長は、適切な場合に「前倒しで動くという考えには何か感じるものがある」とし、「それは0.5ポイントを選択肢とする方向を示している」と語りました。議長は労働市場にも触れ、「過熱」状態にあると指摘しながら、「労働者にとっては極めて良好な労働市場だ。供給と需要のバランスを改善し、より良い環境にするのがわれわれの仕事だ」と結んでいます。(ブルームバーグ)サンフランシスコ連銀のデーリー総裁もラスベガスでの会合で、金融当局は迅速に行動し、年末までに経済を抑制も促進もしない中立水準に政策金利を引き上げるべきだと話し、「私は3つのことで頭がいっぱいだ。インフレ、インフレ、インフレの3つだ」と、米国人らしいジョークで現在の直面する課題を表現しました。
ワシントンで行われた「G7財務相・中央銀行総裁会合」では、鈴木財務大臣が急速に進む円安への危機感を訴えましたが、会合ではそれに対する議論はなく、共同声明でも取り上げられることはなかったようです。もともと今回の「G7会合」では、ロシアのウクライナ侵攻が世界経済に及ぼす影響が議題の中心だったこともあり、参加国にとって円の弱さが特に懸念材料にはなっていないとの印象です。キーウ大学の推計によると、戦争によるウクライナのインフラ損害額は4月11日時点で800億ドル(約10兆2800億円)に達し、その額はさらに大きく増加していると報じられています。イエレン財務長官は会見で、「ウクライナの復興コストは最終的に膨大な額になる」と指摘し、「ウクライナ復興のために必要な額の一部の提供で、どうにかしてロシアに支援させることを、われわれは当然追及すべきだと考えている」と述べています。またロシアがウクライナ侵攻に踏み切って以来、米欧はロシア中銀の外貨準備6400億ドル(約82兆1600億円)の半分程度を凍結しており、これを復興に利用する可能性について質問されたイエレン氏は、「それは非常に大きなステップとなり、踏み出す前にその結果を慎重に考慮しなければならない。軽々しく行いたくない。米国の同盟国やパートナーに安心感を与え、支持してもらえるようにする必要がある」と答えています。
そのロシアはウクライナの南東部の港湾都市マリウポリでの攻撃を強めており、プーチン氏は「マリウポリという南部の要衝を掌握したことは成功だ」と宣言しましたが、ウクライナ政府の高官は、まだ一部でウクライナ兵士が抗戦していると述べています。
あさってでロシアがウクライナに軍事侵攻して2カ月になります。5月9日の戦勝記念日までには何が何でも成果が欲しいプーチン氏が、そのための攻撃手段を選ばなくなったらさらに危険度が増します。
ドル円は1日当たりの値幅が1円以上もあるのが「常態化」してきました。本日のドル円は127円60銭~128円90銭程度と予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円は上値が重く、東京時間に127円台後半まで下げたが、NYでは長期金利が再び上昇したことを受け反発。一時128円70銭までドル高が進む。ユーロドルは小幅に反発し、1.0896まで上昇。(イメージ写真提供:123RF)
economic,gaitameonline,gaitamedotinterview,fxExchange
2022-04-22 10:30