【為替本日の注目点】ユーロドル2年ぶりに1.07台を割り込む

米長期金利の低下が重石となりドル円は下落。一時は127円53銭まで売られたが、その後は反発し128円台前半で引ける。ユーロドルではドル高がさらに進み、一時は1.0697前後までユーロ安が進行。株式市場は3指数が揃って反発。ダウは238ドル上昇し、ナスダックも165ポイント上昇。債券は続落。長期金利は2.82%台で取引を終える。金は5日続落し1900ドル台を割りこむ。原油も続落し98ドル台に。中国での新型コロナ感染拡大が重石となり100ドル台を割りこむ。 ドル/円  127.53 ~ 128.26 ユーロ/ドル 1.0697 ~ 1.0758 ユーロ/円  136.47 ~ 137.88 NYダウ +238.06  → 34,049.46ドル GOLD ―38.30 → 1,896.00ドル WTI  -3.53 →  98.54ドル   米10年国債 -0.079 → 2.820% 本日の注目イベント 日 3月失業率 米 3月耐久財受注 米 2月ケース・シラ-住宅価格指数 米 4月コンファレンスボード消費者信頼感指数 米 4月リッチモンド連銀製造業景況指数 米 3月新築住宅販売件数 米 2月FHFA住宅価格指数 米 企業決算 → マイクロソフト、アルファベット、VISA,GE,GM  ドル円は米長期金利の低下を手掛かりにドルが売られ、NYでは一時127円53銭までドル安が進みました。ただその後は再び128円台前半まで値を戻すなど、相変らず押し目を拾う動きは旺盛な印象です。米長期金利は3%を意識しているせいか上昇にブレイキがかかり、昨日は2.75%台まで低下する場面があり、これがドル円を押し下げています。一方ユーロドルではドル高が続き、ユーロは一時1.07を割り込み、2020年3月以来となる1.0697までユーロ安が進んでいます。ウクライナ情勢の混迷が基本的な悪材料としてある他、中国の新型コロナウイルスの感染拡大に対する懸念も、売り手を有利にしているようです。フランスのマクロン氏再選も大きな買い材料にはならず、欧州株も下落基調が強まっています。結局ユーロ円が大きく売られる結果となり、前日の高値からは2円70銭程売られています。FOMCまで1週間ほどとなり、市場は6月、7月のFOMCでも0.5ポイントの利上げがあるのかどうかに注目しており、そのヒントを探る動きになっています。パウエル議長が来週のFOMC後の記者会見を対面形式で行うとFRBは発表しています。対面による会見は新型コロナウイルスのパンデミック入り以降で初めてのことになります。  ウクライナの首都キーウを訪れたブリンケン国務長官とオースティン国防長官はゼレンスキー大統領と会談を行い、ブリンケン氏は「ウクライナ侵略で行ったようなことが出来なくなる程度まで弱体化するのが望ましいと、米国として考えている」とし、「ウクライナが主権を有する民主主義国家であり続け、自国を守ることができるよう望んでいる」と語っています。さらに、「ロシアの戦争目的の点では、同国は失敗しウクライナは成功しつつある。ロシアは当初、ウクライナを完全に従属させようとしたが、その取り組みは失敗した」とコメントしています。またオースティン氏も、「(ロシアが)極めて率直に言って、多くの軍事力と多数の兵力を既に失った。そうした能力をあまり早急に再生できないのが望ましい」と述べています。(ブルームバーグ)米国は今回の訪問に合わせ、ウクライナや周辺国へ約7億ドル(約900億円)の追加支援を行うと発表し、国外退避していた外交官を同国に戻すことも表明しています。一方ロシア軍は、南東部のマリウポリのアゾフスタル製鉄所への空爆を継続しています。製鉄所には2000人以上のクライナ兵と子供を含む多くの市民が立てこもっていると伝えられています。  中国では、上海だけではなく北京市でも新型コロナウイルスの感染拡大が続いており、北京市(全16区)は、朝陽区以外の11区にも新型コロナウイルスの大規模検査を26日から30日に拡大するとしています。ただ、上海のような危機になる恐れはあるものの、市全体のロックダウンを行うには至っていませんが、これらを受け、人民元は約1年ぶりの安値を記録し、WTI原油価格も中国景気の鈍化を織り込む形で大きく下げています。  米長期金利の上昇もドル高も一服です。上でも触れたように、FOMCでの今後の利上げスタンスを探る動きになりますが、「ブラックアウト」に入ったためFOMCメンバーによる発言もなく、相場はやや落ち着くのではないかと思います。多くのFOMCメンバーがタカ派姿勢にシフトしていますが、さすがに今回の会合で、0.75ポイントの利上げはないと考えています。今後発表されるCPI等がさらに上振れするようなら、6月か7月の会合での大幅な引き上げも可能性としてはあると思いますが、CPIも今後緩やかに低下すると予想しています。 本日のドル円は127円20銭~128円20銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)
米長期金利の低下が重石となりドル円は下落。一時は127円53銭まで売られたが、その後は反発し128円台前半で引ける。ユーロドルではドル高がさらに進み、(イメージ写真提供:123RF)
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2022-04-26 10:00