【北京IPO】飼料添加物メーカーの山西大禹生物工程が5日に公募開始、1500万株発行予定

北京証券取引所への上場を目指している、山西大禹生物工程(871970/北京)が5月5日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。1500万株を発行予定で、公募価格は10元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。
同社は2014年設立の民営企業で、16年に株式会社化した。飼料添加物(微生物製剤、飼料用酵素製剤など)、飼料、動物用医薬品の研究開発、生産、販売を主業務としており、動物の成長促進、品質向上、抗生物質からの置き換えを方向性として、グリーンで安全かつ高効率な飼料添加物、飼料生産に取り組んできた。21年12月期の売上構成は、飼料用添加物が78.26%(うち、微生物製剤が61.92%、飼料用酵素製剤が16.34%)、飼料が16.63%、動物用医薬品が5.11%となっている。
世界の飼料添加物市場規模は、肉類の消費ニーズの上昇に伴って拡大しており、2021年には381億米ドルに達したものと見られる。26年まで年平均5.5%のペースで成長し、26年には496億ドルに達する見込みだ。動物飼料における抗生物質添加物の使用禁止の動きが世界的に見られており、代替品となる微生物製剤や酵素製剤の市場は特に大きく伸びる見込みで、微生物製剤は2019年の46億ドルから25年には70億ドルと年7.4%のペースで、酵素製剤も20年の13億ドルから25年は19億ドルと年平均8.1%のペースでそれぞれ成長すると予測されている。
中国の飼料添加物市場も急速に拡大し、生産量は2011年の629万トンから20年には1390万トンと倍以上の伸びを見せ、年平均成長率は9.22%に達した。1390万トンのうちミネラルが約690万トンで約半分を占め、アミノ酸が約370万トン、ビタミンが約160万トンと多くなっている一方で、微生物製剤は約22万トン、酵素製剤は約21万トンに留まっており、食品の安全に対する意識の高まり、政府による抗生物質添加物禁止政策、環境保護政策などによって今後さらに需要が増えるものとみられる。
同社は菌・酵母・薬・ペプチドを組み合わせ、各動物の各成長段階に合った微生物製剤を開発、生産する技術力を持つこと、全生産プロセスのトレーサビリティを実現した品質保障体系を構築していること、24時間体制の技術サービスホットラインや技術者による巡回技術指導などの充実したサービス体制を持っていることなどを強みとする一方、大手企業に比べて経営規模が小さく、日々激しくなる市場競争に対応するための資金が不十分であるといったボトルネックを抱えている。また、自然災害や深刻な伝染病の発生、国や地方の政策変化による中小畜産業者への助成減少などにより畜産の規模が縮小し、売上に大きな影響が生じるリスクが存在する。また、輸送コスト、原料コストの上昇も懸念材料だ。
2021年12月期の売上高は1億7895万元(前期比23.55%増)、純利益は3505万元(同7.08%増)。22年1〜3月期の業績予測は、売上高が3500万〜4000万元(前年同期比10.13%減〜2.71%増)、純利益が650万〜700万元(同5.42%減〜1.86%増)となっている。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)
北京証券取引所への上場を目指している、山西大禹生物工程(871970/北京)が5月5日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。1500万株を発行予定で、公募価格は10元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。(イメージ写真提供:123RF)
china,economic,ipo,801970,bj
2022-05-01 23:15