【為替本日の注目点】米4月の非農業部門雇用者数は42.8万人

ドル円は雇用統計発表の割りには小動きだった。非農業部門雇用者数が予想を上回ったことからFRBによる利上げが加速するとの見方からドル円は130円71銭まで買われた。ユーロドルは小幅に反発し、1.06近辺まで上昇。株式市場は続落。良好な雇用統計の結果を受け、FRBが積極的利上げスタンスを維持するとの見方が重しとなり3指数は揃って続落。債券は続落。長期金利は続伸し、時間外取引では3.14%まで上昇。金と原油は続伸。
8月失業率 → 3.6%
8月非農業部門雇用者数 → 42.8万人
8月平均時給 (前月比) → 0.3%
8月平均時給 (前年比) → 5.5%
8月労働参加率 → 62.2%
3月消費者信用残高 → 52.4535b
ドル/円 130.16 ~ 130.71
ユーロ/ドル 1.0537 ~ 1.0597
ユーロ/円 137.62 ~ 138.15
NYダウ -98.60 → 32,899.37ドル
GOLD +7.10 → 1,882.80ドル
WTI +1.51 → 109.77ドル
米10年国債 +0.090 → 3.126%
【本日の注目イベント】
日 日銀金融政策決定会合、議事要旨(3月17―18日分)
中 4月貿易収支
加 3月住宅建設許可件数
米4月の非農業部門雇用者数は「42.8万人」と、市場予想の「38万人」を上回り、失業率は横ばいの「3.6%」でした。今回の雇用統計では、雇用者数の伸びがやや鈍化すると見られていましたが、結果が依然として良好だったことから、FRBがインフレ阻止を掲げ、今後積極的に利上げを進めて行くことへの障害が一つなくなったとの見方から長期金利が上昇。ドル円も堅調な動きになっています。値動きは小幅でしたが、130円台前半から後半で推移し、その前の東京時間では130円80銭までドルが上昇していたこともあり、131円台乗せへの期待もありましたが、今回は131円台には至っていません。長期金利は3.1%台まで上昇し、時間外取引では2018年1月以来となる3.14%まで上昇しています。
今回は賃金の伸びも注目されていましたが、こちらは前月比ではやや鈍化し、3月分は上方修正されています。前年同月比では「5.5%」と、依然として高い伸びを示していましたが、このまま賃金が上昇するようだと、インフレ率も高水準が続くとみられます。ただ、今回の結果が賃金上昇の持続的な鈍化傾向の始まりなのか、あるいは一時的な減速に過ぎないのかは、判断が難しい(ブルームバーグ)ところです。4月の雇用統計の結果を踏まえて、リッチモンド連銀のバーキン総裁は、0.75ポイント利上げの可能性に関する質問に、「私は何も排除しない。あらゆることが検討議題になるだろう」と述べ、「われわれのペースはかなり加速していることだけは言っておこう」と答えています。また米金融当局のインフレ対策が「ビハインド・ザ・カーブ」(後手に回る)だったとの批判に対し、タカ派のセントルイス連銀のブラード総裁は、「信頼できるフォワードガイダンスとは、米当局の実際の行動より前に金利が大きく上昇していることだ」とし、「これは『ビハインド・ザ・カーブ』の別の定義であり、この定義に基づくと当局はさほど出遅れてはいない」と語っています。
ロシア軍がウクライナ東部ルガンスク州の学校を攻撃したとの報道が昨晩ありました。この攻撃で60人が死亡したとゼレンスキー大統領は発表しています。本日はロシアの戦勝記念日にあたり、この日までに戦果を挙げる必要があり、攻撃が激化するとの見方がありました。しかし、ロシア軍は目立った戦果を得られなかったものの、見境なく攻撃を繰り返しているようです。欧米は、ウクライナへのさらなる支援を表明しており、米国はあらたに1億5000万ドル(約200億円)相当の追加支援を決めています。戦闘が長期に渡る可能性を意識してか、携行型の対戦車ミサイル「ジャベリン」に加え、装甲車や、りゅう弾砲、攻撃型のドローン「フェニクス・ゴースト」の提供も決めています。またG7首脳は、ロシア産原油の輸入禁止を表明しています。本日のロシアの戦勝記念式典では、プーチン氏の演説があると見込まれているようですが、引き続き強気の姿勢を見せ、「大義なき戦争」を続けることを表明するのでしょうか。また戦闘員を増やす目的から足元の闘いを「戦争」という言葉で言い表すのでしょうか。ゼレンスキー大統領も欧米からの最新鋭の武器など、強力な支援を背景に、犠牲者を出しながらも徹底抗戦の構えのようです。ゼンレンスキー氏は「クリミアを取り戻す」と述べています。
本日のドル円は130円20銭~131円50銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円は雇用統計発表の割りには小動きだった。非農業部門雇用者数が予想を上回ったことからFRBによる利上げが加速するとの見方からドル円は130円71銭まで買われた。(イメージ写真提供:123RF)
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2022-05-09 09:45