【為替本日の注目点】WTI原油価格2カ月ぶりに114ドル台まで上昇

東京時間午後には128円台後半で推移していたドル円は欧州市場では129円台前半まで買われ、NYでは129円61銭まで上昇。ただその後は再び軟調な展開。ユーロドルは反発。前日は1.03台半ばまで売られたが、米長期金利が低下したこともあり、1.0443まで反発。株式市場はまちまちながら依然として上値の重い展開。ダウは小幅に続伸したが、ハイテク株が売られ、ナスダックとS&P500は反落。債券相場は反発。長期金利は2.88%台へ低下。金は3日ぶりに反発。原油は4日続伸し、約2カ月ぶりに114ドル台に。 5月NY連銀製造景況業指数     → -11.6 ドル/円  128.99 ~ 129.61 ユーロ/ドル 1.0390 ~ 1.0443 ユーロ/円  134.13 ~ 135.05 NYダウ -26.76 → 32,223.42ドル GOLD +5.80 → 1,814.00ドル. WTI  +3.71 →  114.20ドル   米10年国債 -0.036 → 2.882% 本日の注目イベント 豪   RBA議事録 欧   ユーロ圏1-3月期GDP(改定値) 欧   ラガルド・ECB総裁講演 英   英4月失業率 米   4月小売売上高 米   4月鉱工業生産 米   5月NAHB住宅市場指数 米   ブラード・セントルイス連銀総裁、オンライン会議で講演 米   ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁講演 米   メスター・クリーブランド連銀総裁、パネル討論会に参加 米   エバンス・シカゴ連銀総裁講演 米   パウエル・FRB議長講演  東京タイムでは129円台半ばから128円70銭前後まで売られたドル円は、NYで再び同水準まで買われ、結局「往って来い」の動きになりました。1日の値動きはそこそこあったものの、方向感に欠ける展開でした。激しい攻防が続くウクライナ情勢と、新型コロナウイルスの拡大に伴う中国の景気減速が相場の重しになっています。上海では長く続いているロックダウンが解除される見通しですが、まだ不透明感は残っているようです。また米国でも、昨日発表された5月のNY連銀製造業景況指数は「-11.6」と、前月から36ポイント余り落ち込んでいました。同指数は「ゼロ」が活動の拡大と縮小の境目で、マイナスに落ち込んだことで、他の指標へも影響するとみられ、米国は「今年の後半にかけてリセッション入りする」といった見方を裏付ける結果になりました。  スウェーデン政府は16日、NATOへ加盟申請することを正式に決定しました。アンデション首相はフィンランドと同じ歩調を採ることを説明し、約200年にわたって維持してきた軍事的中立を、ロシアのウクライナ侵攻を受けて大きく転換することとしました。これに対してプーチン氏はロシア主導の軍事同盟「集団安全保障条約機構」(CSTO)の首脳会議をモスクワで開き、フィンランドとスウェーデンのNATO加盟は「直接的な脅威にはならない」としたうえで、「われわれは対応策を講じる」と述べています。両国のNATOへの加盟申請について、ドイツのベーアボック外相は、「極めて迅速にNATO加盟が可能だろう」との見解を明らかにしており、今回の両国の加盟に対する審議は異例のスピードで行われる見込みです。  バーナンキ元FRB議長は16日CNBCとのインタビューで、現在のFRB指導部はインフレ高進への対応があまりにも遅すぎたとし、結果として成長停滞とインフレが同時進行するスタグフレーションの局面に直面すると指摘しました。バーナンキ氏は、「フォワードガイダンスが全体として、インフレ問題へのFRBの対応を遅らせたと考える」と発言し、「振り返ってみると、間違いだったと思う。彼らも間違いだったと同意すると思う」と述べています。また、バーナンキ氏はこれとは別に、NYタイムズに対して、「良好なシナリオに基づいても、景気減速は起こるだろう。インフレは鈍化するがなお高すぎる。従って、向こう1年か2年は成長が低く、失業率が少なくとも若干上昇し、インフレがなお高い局面になるだろう」とし、「それをスタグフレーションと呼ぶことは可能だ」と話しています。(ブルームバーグ)パウエル議長は本日、ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)主催の会議に出席し、講演を行う予定です。上述のように、バーナンキ元FRB議長やサマーズ元財務長官など、金融政策に極めて詳しい「先人」からも、今回の金融当局の対応の遅さを指摘されています。6月、7月の会合で0.5ポイントの利上げを示唆しているパウエル議長が、インフレ阻止のためさらにタカ派に転じる可能性もあるかもしれません。景気減速の足音も聞こえ始める中、矢面に立たされた議長は厳しい選択を迫られています。 本日のドル円は128円20銭から129円50銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)
東京時間午後には128円台後半で推移していたドル円は欧州市場では129円台前半まで買われ、NYでは129円61銭まで上昇。ただその後は再び軟調な展開。(イメージ写真提供:123RF)
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2022-05-17 10:00