次の社会で活躍する新分野のリートに投資する「次世代REITオープン」、成長を発掘する力の源泉とは?

三菱UFJ国際投信が設定・運用する「次世代REITオープン<資産成長型>(為替ヘッジなし)」は、2021年のトータルリターンは49.81%と、類似ファンド分類平均(国際REIT・グローバル・含む日本・為替ヘッジなし)を8.85%上回り、分類内で通貨選択型やファンドラップ専用ファンドを除くと実質トップの運用成績になった。ファンド オブ ザ イヤー2021の「オルタナティブ型」部門で優秀ファンド賞を受賞している。同ファンドの運用の特徴について、同社外部委託運用部チーフマネジャーの林和正氏に聞いた。
「REIT(リート)」というと、国内ではオフィスに投資するREITが主流で、次いで商業施設、住宅などの物件を思い浮かべるが、人口構造の変化、情報技術の進歩などを背景に、米国などグローバル市場ではデータセンターや物流施設といった新しい分野のリートが生まれ、市場が拡大している。「次世代REITオープン<資産成長型>(為替ヘッジなし)」は、高い成長が期待される次世代のリートに投資することで、配当収益に加え、中長期的な値上がり益の獲得を目指すことができる商品だ。
林氏は、当ファンドの特徴について、「日本を含め、世界各国のリート等などの中から、人口構造の変化、情報技術の進歩といった、いわゆるメガトレンドの恩恵を受け、中長期的に非常に高い成長が期待される新しい分野のリートを選出します。
足元では、例えば通信塔とかデータセンターなどの『テクノロジー関連』、物流施設、倉庫などの『ロジスティックス関連』、さらには、シニア住宅ですとか、戸建住宅などの『ニュースタイル関連』などがあります。そこからマクロ経済分析によるトップダウン・アプローチ、また、収益性分析などのボトムアップ・アプローチを通しまして、個別銘柄の純資産価値やキャッシュフロー成長率を分析します。最後に、個別銘柄の最適な組み入れ比率を算出してポートフォリオを構築します。また、エマージング市場などリートの形態をとっていない株式などにも一部投資を行って、グローバルに非常に幅広く投資をしています」と、グローバル市場で「次世代REIT」に幅広く投資していると語る。
さらに、同ファンドの魅力として、「新しい時代のリートが現れた場合、テーマやサブテーマを追加することができます。そうすることによって、成長性、新規性が高い分野や銘柄に早期から投資できる魅力があります。『次世代』に投資を続けるためには、次の社会を想像して、新しいトレンドを探索するということに注力しています。たとえば、当ファンドを企画するにあたって、オンラインショッピングの普及によって、商業施設が少しずつ衰退する中にあって、商業施設の代わりに、どういったものが求められるのかということを想像するところから始めました。
アメリカでは、郊外の商業施設の跡地に物流施設が建設されるなど新たな需要を満たすためのダイナミックな動きが見られました。これは非常に大きなトレンドになるというふうに感じました。また、コロナ禍においては、製薬ニーズの高まりなどから研究施設の賃貸に注力する企業も現れ、ライフサイエンスという新しいサブテーマを設定しました」(林氏)と、これからの社会を想像して、トレンドを探索することで次世代の投資につなげていると解説した。
一方、同ファンドの実質的な運用を担っているコーヘン&スティアーズ社は、リート運用のパイオニアであり、高い運用実績がある。林氏は、「次世代のリートに投資する上で、単純にそういった銘柄に投資するだけでは優れたパフォーマンスを継続できないと思っています。市況に応じた銘柄選択、資産配分が求められ、優れたマネージャーに運用を委託することが重要であるというふうに考えました」と、コーヘン&スティアーズ社の経験と実績が、同ファンドの運用実績にプラスの効果があるとする。
実際に、コーヘン&スティアーズ社が運用する既存ファンドにおいても、次世代のリートに比較的早い時期から投資していることが確認され、「既存ファンドの良好な運用実績に加え、当分野での広い知見、経験を有している点も特徴です」(林氏)という。コーヘン&スティアーズ社が、業界屈指の運用体制を誇り、経験豊富な運用担当者を揃え、かつ、グローバルの運用体制を構築している点が、同ファンドの運用を委託する上でポイントになったと語っている。
日本でも、コロナ禍で広がったテレワーク(在宅勤務)などの新しい生活様式によってデータセンターや物流施設の成長が著しいとニュースで取り上げられることがある。林氏は、「今後、5Gですとか、オンラインショッピングなどが一段と加速するにつれて、次世代のリートも、より一層皆様に身近なものになると考えています。当ファンドと共に、新しい市場を一緒に作るというようなお気持ちで、当ファンドに投資していただけますと幸いです」と語り、今後のREIT市場をけん引する成長の主役として「次世代REIT」が注目されることを強調した。(グラフは、「次世代REITオープン<資産成長型>(為替ヘッジなし)」設定来のパフォーマンス推移)(情報提供:モーニングスター社)
「次世代REITオープン<資産成長型>(為替ヘッジなし)」の運用の特徴について、三菱UFJ国際投信の外部委託運用部チーフマネジャーの林和正氏に聞いた。(グラフは、「次世代REITオープン<資産成長型>(為替ヘッジなし)」設定来のパフォーマンス推移)
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2022-05-20 09:30