【深センIPO】精密プレス特殊鋼材料の蘇州翔楼新材料が23日に公募開始、1867万株を発行予定

深セン証券取引所の創業板への上場を目指す、蘇州翔楼新材料(301160/深セン)が5月23日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。1867万株を発行予定で、公募価格は31.56元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。
同社は2005年設立の民営企業で、16年に株式会社化した。カスタマイズの精密プレス特殊鋼材料の研究開発、生産、販売を主業務としており、炭素構造鋼、合金構造鋼などの特殊構造鋼や、ばね鋼、ベアリング鋼、工具用鋼などの特殊用途鋼材を手掛けている。自動車エンジンシステム、変速機・クラッチシステム、シートシステム、内装システムなど自動車の各種構造部品、機能部品を主たる分野とし、精密刃物、電気部品などの分野でも利用されている。カナダのマグナ・インターナショナル、仏フォルシア、仏ヴァレオ、スイスのファインツールをはじめ、国内外の大手自動車部品メーカーと取引関係を持つ。
世界の特殊鋼業界はすでに技術の成熟段階に入っており、各国が先進的な特殊鋼製品を数多く開発している。一方、中国の特殊鋼業界は発展途上の段階にあり、生産量は先進国に比べてなおも少なく、今後の大きな伸びしろを持っている。中国の特殊鋼材料生産量が粗鋼生産量に占める割合は15%と、20%以上に達している先進国に比べると低い。
自動車の生産台数は近年頭打ちに近い状態となっているが、中国では人口1人あたりの自動車所有台数が先進国に比べてはるかに低いため、今後も安定的な自動車需要が見込まれており、自動車用特殊鋼材を主力製品とする同社にとっては好材料だ。また、中国では切削工具の需要が伸びており、2019年の市場規模が393億元と16年に比べて22.05%増加。今後も成長が期待されている。各分野において輸入品から国産品への置き換えが進む中で、同社製品の中国国内シェアはさらに高まりそうだ。
同社は国内外の大手企業を中心とした良質な顧客資源を持つこと、原料サプライヤーと長期的に安定した提携関係を築いていること、精密プレス加工に特化していることなどを強みとする一方で、海外の大手競合企業に比べると生産能力に限界があり、資金が不足していることがボトルネックとなっている。また、材料価格の高騰、サプライヤーが少数に集中していること、在庫を多く抱えていること、自動車用半導体不足、電力供給不足といった経営上のネックを抱えている。
2021年12月期の売上高は10億6300万元(約49.34%増)、純利益は1億2061万元(約76.81%増)。22年1〜3月期の売上高は2億9680万元(前年同期比26.31%増)、純利益は3284万元(同5.37%増)。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)
深セン証券取引所の創業板への上場を目指す、蘇州翔楼新材料(301160/深セン)が5月23日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。1867万株を発行予定で、公募価格は31.56元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。(イメージ写真提供:123RF)
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2022-05-21 19:30