【上海IPO】半導体CMP装置メーカーの華海清科が26日に公募開始、2667万株を発行予定

 上海証券取引所の科創板への上場を目指している、華海清科(688120/上海)が5月26日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。2667万株を発行予定で、公募価格は136.66元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。  同社は2013年設立で、20年に株式会社化した。半導体専用設備の研究開発、生産、販売と技術サービスを主業務としている。主な製品はウエハーの表面を平らに磨くCMP装置。同社のCMP装置は12インチおよび8インチの集積回路(IC)生産ラインに応用可能で、その性能は中国国内をリードする水準にあり、中国企業では初めて自主開発の12インチ用CMP装置をリリースして量産を実現した。製品は中芯国際、長江存儲、華虹集団、インテルなど国内外のICメーカーの生産ラインに導入されている。  中国のIC市場規模は2013年の2508億元から20年には8848億元と年平均19.73%のペースで増加し、21年には1兆458億元と初めて1兆元を突破した。一方、中国国内のIC製品は輸入品が主力であり、21年の輸入量は6354億個と前年比16.9%増となっている。増加幅は20年に比べると5.2ポイント縮小し、その分国産品の生産量が増えているものの、中国市場のニーズが急速に高まり続ける中で中国企業の生産能力は依然として大きく不足している。中国企業が今後生産能力の強化を図る中で同社にとってはCMP装置の売上を大きく伸ばすチャンスと言えそうだ。  同社は2018年以降中国大陸におけるCMP装置市場シェアを急速に伸ばしており、18年の約1.05%から19年には6.12%、20年には12.64%まで増やしている。一方で、20年時点で4億3000万米ドルにのぼる中国のCMS装置市場において、ハイエンド装置の大部分は米アプライドマテリアルと日本の荏原製作所から提供される輸入品となっており、同社がさらにシェアを拡大するためにはこれらの国際的な大手メーカーとの競争に打ち勝つ必要がある。  同社は中国国内唯一の12インチCMP装置量産技術を持つなど高い技術力、開発力に加え、株主である清華大学の教授をはじめとする優秀な研究開発チームを持つこと、良好かつ安定的な顧客リソース、中国大陸において優れたアフターサービス力を持っていること、製品のコストパフォーマンスの高さといった強みを持つ一方で、世界の大手企業に比べると市場シェアや市場への影響力、先進的な技術開発、製品のラインナップ、経営規模などでなおも大きく劣っている。激しい市場競争に加え、急速な技術の世代交代が求められること、清華大学との関係の変化による技術力低下の可能性といったボトルネックやリスクも抱えている。  2021年12月期の売上高は8億488万元(前期比108.58%増)、純利益は1億9827万元(同102.76%増)。22年1〜3月期の売上高は3億4837万元(前年同期比192.85%増)、純利益は9123万元(同121.63%増)。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)
上海証券取引所の科創板への上場を目指している、華海清科(688120/上海)が5月26日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。2667万株を発行予定で、公募価格は136.66元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。(イメージ写真提供:123RF)
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2022-05-24 22:30