【北京IPO】自動車用精密ベアリング製造の青島泰徳汽車軸承が6日に上場開始、2500万株発行予定

北京証券取引所への上場を目指している、青島泰徳汽車軸承(831278/北京)が6月6日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。2500万株を発行予定で、公募価格は4.06元。公募終了後速やかに上場する見込みだ。
同社は2001年設立で、14年に株式会社化した。自動車専用精密ベアリングの設計、製造、販売を主業務としており、空調向けベアリング、テンショナーベアリング、ポンプ用ベアリング、ブラケットベアリングなどを生産している。21年における自動車空調コンプレッサー電磁クラッチベアリングの世界市場シェアは21.50%で、20年から5.10ポイント上昇しており、シェアを拡大している。
世界のベアリング工業はハイエンド製品を中心に欧米や日本のメーカーに市場を占有されている。2020年の市場規模は約400億米ドルで、26年には530億ドルと年平均3.60%のペースで成長することが予測されているが、市場シェアの約70%は欧米と日本のメーカー8社が占めており、中国メーカーのシェアは合わせて10%にとどまっている上、中国製品の大部分はミドルレンジもしくはローエンド製品である。同社が扱う自動車向け製品は化石燃料自動車の生産減少に伴う需要の減少に直面する一方で、新エネルギー車産業の急速な発展により新たなニーズが生まれており、新エネ車向けの高品質、高性能な各種ベアリング製品の開発が、市場シェアを拡大して会社を発展させる上でのカギと言えそうだ。
同社は自動車空調コンプレッサー用ベアリングで比較的高い市場での地位を確保していること、華域サンデン、仏ヴァレオ、米ゲイツなど国際的な自動車部品メーカーを顧客に持ち、製品の共同開発を行うなど、サプライチェーン下流企業と良好な関係を築いていること、先進的な自動車ベアリングシミュレーション実験室を持つなど高い研究開発力を持つことなどの強みを持っている。一方で、国内外の上場企業に比べて経営規模や生産能力が小さいこと、製品が一部分野に特化しており単一的であることなどのボトルネックを抱えている。また、市場競争の加速、顧客の集中、鋼鉄製品などの主原料の価格上昇なども業績に影響を与えるリスクとして存在する。
2021年12月期の売上高は2億8302万元(前期比29.38%増)、純利益は3137万元(同5.34%増)。22年1〜3月期の売上高は6713万元(前年同期比15.11%増)、純利益は541万元(同0.75%減)。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)
北京証券取引所への上場を目指している、青島泰徳汽車軸承(831278/北京)が6月6日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。2500万株を発行予定で、公募価格は4.06元。公募終了後速やかに上場する見込みだ。(イメージ写真提供:123RF)
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2022-06-03 20:15