【北京IPO】送配電・制御設備メーカーの科潤智能制御が28日に公募開始、3534万株発行予定

北京証券取引所への上場を目指す、科潤智能制御(834062/北京)が6月28日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。3534万株を発行予定で、公募価格は4.3元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。
同社は2004年に江山科潤電力設備有限公司として設立した民営企業で、15年に株式会社化、18年に現社名となった。変圧器、高圧・低圧スイッチ設備、移動式変電所などの屋外設備といった送配電の重要設備の研究開発、製造、販売を主業務としており、製品は都市や農村の電力ネットワークプロジェクト、建築や交通の配電、工業や電気の自動化制御などの分野に広く応用されている。2021年12月期の売上構成は、変圧器が42.95%、高圧・低圧スイッチ設備が34.82%、屋外設備が19.85%。最大の顧客は国家電網で売上の30%前後となっており、中国国内の電力企業、電力設備企業を中心に多くの取引先を持っている。
中国では高度経済成長、電力工業への投資規模拡大に伴い、送配電・制御設備製造市場が成長を続けている。中国における電力ネットワーク投資金額は2011年の3682億元から21年には4951億元にまで増えた。都市化の加速、鉄道網の整備、工業用電力使用の安定的な増加に加え、近年では風力、太陽光を中心とする新エネルギー発電市場が急速に成長しており、電力ネットワークを支える送配電・制御設備市場は今後も安定的な成長が見込まれる。市場が拡大する中で、設備の自動化、インテリジェント化、省エネや環境への配慮といった点が業界のトレンドになっている。
現在、中国市場ではハイエンド分野は米ゼネラル・エレクトリック、スイスABB、独シーメンス、日本の東芝など大型国際企業によって占められ、ローエンド市場は1000社を超える国内中小企業が激しい競争を繰り広げている状態である。同社を含めた国内企業にとっては、製品および技術開発への投資を強化して競争力を高め、利益率が高いハイエンド分野で国際企業との競争に参入することが大きな目標だ。
同社は効率の高い研究開発体制を整えていること、送配電・制御設備のラインナップが豊富であり、顧客の細かいニーズに応じたカスタマイズ生産も可能であること、充実した研修やインセンティブ体制などにより、優れた技術者チームを確保していることなどを強みとする一方で、さらなる成長に向けた資金調達力に乏しく、既存の生産能力も飽和状態になりつつあることなどがボトルネックとなっている。また、経済成長率の鈍化に伴うマクロ経済の変動、市場競争の激化、銅材、ケイ素鋼や電気部品といった主原料の価格上昇といった点が経営上のリスクとして存在する。
2021年12月期の売上高は6億5121万元(前期比13.98%増)、純利益は4321万元(同14.92%減)。22年1〜3月期の売上高は1億3651万元(前年同期比65.93%増)、純利益は322万元(同134.58%増)。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)
北京証券取引所への上場を目指す、科潤智能制御(834062/北京)が6月28日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。3534万株を発行予定で、公募価格は4.3元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。(イメージ写真提供:123RF)
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2022-06-26 00:15