【為替本日の注目点】S&P500、3%を超える上昇

ドル円は朝方、米経済指標の下振れに134円72銭まで売られたがその後反発。株価の大幅上昇や長期金利の上昇を受け135円40銭までドルが買われた。ユーロドルは1.05台でもみ合う。1.0571までユーロは上昇したが買いは続かず反落。株式市場はセントルイス連銀のブラード総裁の発言などを好感し3指数が大幅に上昇。ダウは823ドル上げ、ナスダックは3%を超える上昇。債券は反落。長期金利は3.13%台へ上昇。金はこの日も横ばい。原油は大幅に反発し107ドル台を回復。 6月ミシガン大学消費者マインド(確定値)→ 50.0 5月新築住宅販売件数          → 69.6万件 ドル/円    134.72 ~ 135.40 ユーロ/ドル  1.0517 ~ 1.0571 ユーロ/円   142.07 ~ 142.77 NYダウ  +823.32 → 31,500.68ドル GOLD    +0.50 → 1,830.30ドル WTI     +3.35 → 107.62ドル 米10年国債 +0.043 → 3.130% 【本日の注目イベント】 日 日銀金融政策決定会合における主な意見(6月16、17日分) 日 2月景気先行指数(CI) 日 4月景気一致指数 中 5月工業利益 独 G7首脳会議(26-28日、ドイツ、エルマウ) 米 5月耐久財受注 米 5月中古住宅販売成約件数 NY株式市場で3指数が揃って大きく上昇しました。先々週に年初来安値を記録したばかりのNYダウは、先週1週間で1600ドル以上も上昇し、これまで大きく売られていたこともあり、水準を意識した買いも入り始めたようです。ハイテク銘柄の多いナスダック指数はさらに大幅な上昇を見せています。タカ派で知られているセントルイス連銀のブラード総裁の発言を好感した格好です。ブラード総裁はUBS主催の講演で、「利上げを前倒しで進めることは良い考えだ。可能ならば、インフレが経済に定着する前にその芽を摘み取り、インフレを2%の方向に戻したいためだ。インフレを反転させ、制御するために、われわれは直ちに、かつ積極的に行動しなければならない。そうしなければ、高水準かつ不安定なインフレは10年間続くかもしれない」と述べた上で、「米経済は驚異的な回復力を示しており、リセッション入りの確率について議論するのは時期尚早だ」との考えを示しました。また「金利上昇は経済を減速させるだろうが、トレンドを下回る水準ではなく、よりトレンドに近い成長ペースになるだろう。これを大きな減速とは私は捉えていない。経済の緩やかな減速だと思う」と語り、リセッションの可能性は低いとの認識を示しています。(ブルームバーグ)ただ、まだNY株式市場は底を打ったとは思えません。FRBは少なくとも年内は粛々と利上げを続けていく構えで、先ずはインフレがピークを打ったという兆候が確認できることが望まれます。NY時間の朝方には売られたドル円も、株価の大幅な上昇に、円売りが優勢となり135円40銭まで上昇しています。 昨日からドイツのエルマウで始まったG7首脳会議の声明草案が明らかになりました。G7首脳はウクライナに対し、ロシアの侵攻に対する防衛で無期限の支援を提供すると約束し、「われわれは資金や人道面、軍事および外交での支援を継続し、必要なだけウクライナを支援する」と記されるようです。またロシアに対する制裁の一環として、ロシアからの金の輸入を禁止する模様です。ロシアの金輸出額はエネルギーに次ぐ輸出品で、「ロシアを孤立させ、世界経済から切り離す」ことを狙った措置とみられています。さらにバイデン大統領はG7の席で、米国が中国の巨大経済圏構想「一対一路」に対抗するために「新たに打ち出した枠組み」に対して、各国に支援を要請しています。一方でウクライナでは依然としてロシアの激しい攻撃が続いており、報道では首都キーウの中心部がミサイル攻撃され、死者も出ているようです。 ドル円は神経質な動きを見せながらも、依然として底堅い動きが続いています。長期金利との相関が続いており、金利が低下し売られる場面もありましたが、そこからの戻しも速く、基本は「大きく下げたところを拾う」というスタンスかと思います。ブラード・セントルイス総裁は、米国はリセッション入りする可能性は低いと述べましたが、米景気の先行きは依然として不透明です。米景気のリセッション入りはドル売り材料と捉えられると思われ、利上げがどこまで米景気を下押しするのかが焦点です。 本日は日本株も大きく買われると思われ、ドル円は底堅く推移すると予想します。レンジは転換線のある134円20銭前後を下値とし、上値は135円80銭程度としたいと思います。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円は朝方、米経済指標の下振れに134円72銭まで売られたがその後反発。株価の大幅上昇や長期金利の上昇を受け135円40銭までドルが買われた。ユーロドルは1.05台でもみ合う。(イメージ写真提供:123RF)
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2022-06-27 10:00