【上海IPO】軍用電子部品検査・テストの成都思科瑞微電子が29日に公募開始、2500万株発行予定

 上海証券取引所の科創板への上場を目指している、成都思科瑞微電子(688053/上海)が6月29日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。2500万株を発行予定で、公募価格は55.53元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。  同社は2014年設立の民営企業で、20年に株式会社化した。軍事用電子部品の信頼性検査サービスが主業務で、軍用電子部品のテスト、信頼性スクリーニングテスト、破壊的物理解析、失効分析、信頼性管理技術サポートなどを提供しており、集積回路(IC)、ディスクリート素子、抵抗・コンデンサ部品などのテストが可能。同社のテストをクリアした部品は車載、機載、艦載、ロケット・ミサイル搭載の電子システムに用いられている。  顧客は中国航天科技集団、中国航天科工集団、中国航空工業集団、中国航空発動機集団、中国船舶重工集団、中国船舶工業集団、中国兵器工業集団、中国兵器装備集団、中国電子科技集団、中国電子情報産業集団などの傘下企業や関連電子部品メーカー。  中国の検査・測定サービス市場は年々拡大を続けており、売上高は2015年の1799億元から19年には3225億元まで増え、検査・測定機関の数も3万1122から4万4007にまで増加した。その中で、電子情報技術の急速な発展に伴って電子部品市場が急拡大しており、正確性、精密さを担保する検査・測定サービスの需要はますます高まっている。特に中国は軍事費を増やし続けて軍備の増強、現代化を急ピッチで進めており、第三者検査・測定機関の参入範囲も拡大しつつある。同社にとって見通しは明るいと言えそうだ。  同社は、民営検査・測定企業ではトップクラスの500を超える検査・測定項目について国や軍からの認証を得るなど、高い技術力をもっていること、中国の軍需工業や国防科学技術研究機関が多く存在する南西地域、北西地域、華東地域で業務を展開していること、2021年現在で400近い顧客を持ち、市場における認知度が高いことなどを強みとする一方で、軍需工業業界の特殊な支払い方式により業務運営上比較的大きな資金面の支えが必要となるものの、資金調達力が低く十分な資金が確保できないというボトルネックを抱えている。  また、日々変化する軍需工業のニーズに対応すべく絶えず研究開発を進める必要がある点、一度品質上の問題が発生すれば会社の信用が大きく損なわれ、軍需工業分野の顧客を失う可能性があること、国防政策の変化による影響を受けやすいことなどの経営上のリスクも存在する。  2021年12月期の売上高は2億2205万元(前期比34.12%増)、純利益は9706万元(同28.14%増)。22年1〜3月期の売上高は5069万元(前年同期比22.06%増)、純利益は1887万元(同4.27%増)。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)
上海証券取引所の科創板への上場を目指している、成都思科瑞微電子(688053/上海)が6月29日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。2500万株を発行予定で、公募価格は55.53元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。(イメージ写真提供:123RF)
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2022-06-27 22:30