【為替本日の注目点】米長期金利3.2%に上昇

ドル円は再び135円台半ばまで上昇。米長期金利の上昇に引き寄せられ、135円55銭までドル高に。ユーロドルは反発。1.0615近辺まで買われ、約2週間ぶりの高値を付ける。株式市場は先週末の水準を挟みもみ合い。プラス圏とマイナス圏を行き来し、結局3指数は揃って小幅安で引ける。債券は続落。長期金利は3.20%台に上昇。金は下落。原油は続伸し109ドル台に。
5月耐久財受注 → 0.7%
5月中古住宅販売成約件数 → 0.7%
ドル/円 135.03 ~ 135.55
ユーロ/ドル 1.0554 ~ 1.0615
ユーロ/円 142.86 ~ 143.48
NYダウ ―62.42 → 31,438.26ドル
GOLD ―5.50 → 1,824.80ドル
WTI +1.95 → 109.57ドル
米10年国債 +0.070 → 3.200%
本日の注目イベント
独 7月GFK消費者信頼感
米 4月FHFA住宅価格指数
米 4月ケース・シラ-住宅価格指数
米 6月コンファレンスボード消費者信頼感指数
米 6月リッチモンド連銀製造業景況指数
米 米中間選挙予備選(コロラド、イリノイ、NY,オクラハマ、ユタ州)
予備選決選投票(ミシシッピ、サウスカロライナ州)
ドル円は一進一退を繰り返しながらもなかなか大きく下げません。昨日の東京時間ではドルの上値は重く、135円台前半からジリジリと売られ、134円50銭近辺まで下げる局面もありましたが、その後持ち直し、NYではそこから1円程ドル高の135円55銭まで上昇しました。5月の耐久財受注が市場予想を上回ったことで、FRBは積極的な利上げを実施しやすくなるとの見立てです。引き続き、「好材料」は債券市場と株式市場にとっては「悪材料」で、金利上昇、株安につながる構図は変わりません。米長期金利が一時3.21%台まで上昇したことにドル円が引っ張られた形です。
ロシアの外貨建て国債の利払いが26日、支払猶予期間の最終日を迎えましたが、投資家への支払いが出来ておらず、事実上デフォルトに陥ったとみられます。米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは、ロシア国債の保有者が30日間の猶予期間内に支払いを受けなかったという事実は、ロシア当局によるデフォルトに相当するとの見解を示しました。今回の支払いは1億ドル相当分の利払いですが、ロシアの外貨建て国債は7500万ドル以上の不払いが起きると、他のロシア国債もデフォルトとみなされる「クロスデフォルト条項」があるため、ロシア政府のすべての対外債務がデフォルトになる可能性がありそうです。(日経新聞)今後ロシアはますます資本市場からの資金調達が困難となり、孤立化が進むとみられます。
ドイツのエルマウで開催されているG7首脳会議はロシア産石油の上限価格を設ける制裁の導入で合意しました。具体的な制度設計は今後詰める模様ですが、この方針はG7サミットの最終日である28日に発表される見込みです。今回の制裁は、ロシアの収入を減らし、ウクライナに侵攻した同国の戦費調達を遮断する狙いがあります。すでに原油や天然ガス、さらには金についてもロシアからの輸入禁止を決めており、裏を返せば今回の合意は、G7各国は戦争が長期化することを念頭に置いていることの証左かもしれません。ウクライナのゼレンスキー大統領はG7にキーウからビデオリンク方式で参加し、今年末までに戦争が終わるようG7各国に支援を求めています。ロシアはウクラナへの攻撃をさらに強めており、首都キーウのショッピングモールへのミサイル攻撃では少なくとも10人が死亡したと、ウクライナの国防省は発表しており、現場には当時1000人余りの民間人がいたとゼレンスキー氏は述べています。一方NATOは即応部隊を30万人以上に増強する野心的な計画を発表しました。
サマーズ元財務長官はブルームバーグ・テレビジョンの番組で、「今後2年以内に米国がリセッション入りする確率は70-80%であり、リセッション入りはほぼ不可避だ」と述べ、「実際にはその到来が早まるリスクもある」と語っています。さらに「仮に痛みを伴う時期を経験するのであれば、インフレの怪物の息の根を確実に止めるまで手を緩めないようにするのが極めて重要だ」と述べ、その失敗例として1970年代の経済政策を挙げていました。FOMCで大幅な利上げに踏み切って以来、米国ではリセッション巡る議論が盛んで、本当にリセッション入りするのか、その時期や長さを巡って多くのエコノミストが持論を展開しています。来年にはリセッション入りするとの見方がコンセンサスに近いように思えますが、まだリセッションは避けられるとする意見もみられます。
135円台半ばまで上昇してきたドル円は、再び136円台に乗せることが出来るかどうかが一つのポイントになりそうです。本日のドル円は134円50銭~136円30銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円は再び135円台半ばまで上昇。米長期金利の上昇に引き寄せられ、135円55銭までドル高に。ユーロドルは反発。1.0615近辺まで買われ、約2週間ぶりの高値を付ける。(イメージ写真提供:123RF)
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2022-06-28 10:00