ANAPは軟調展開続いたが、収益悪化を織り込んで底打ちの可能性

  レディス向けカジュアル衣料・雑貨のANAP <3189> (JQS)の株価は軟調展開が続き、IPO直後の13年11月高値からほぼ6分の1水準まで下落した。しかし今期(14年8月期)収益悪化を織り込んで底打ちした可能性があり、一旦は反発局面だろう。   10代半ば~20代を中心に幅広い年齢層から支持されているレディス向けカジュアル衣料・雑貨「ANAP(アナップ)」を基幹ブランドとして、特徴の異なるサブブランドも並行展開している。ブランド認知度の高さ、新鮮な品揃え、多品種・小ロット販売などを特徴としている。   販売は、全国のショッピングセンターなどに出店する店舗販売、自社ECサイト「ANAPオンラインショップ」でのネット販売、全国のセレクトショップ向け卸売販売を展開している。前期(13年8月期)の事業別売上構成比は店舗販売66%、ネット販売26%、卸売販売8%で、ブランド別売上構成比はレディスカジュアル78%、キッズ・ジュニア18%、雑貨・メンズ4%である。店舗販売は前期末時点で全国93店舗を展開している。   成長に向けた重点戦略としては、スタートトゥデイ <3092> が運営する「ZOZOTOWN」「LABOO」への出店、新規ブランド「ANAP SCHOOL」「ANAP BOY」の投入、ショッピングセンターへの新規出店と「KIDS」ブランドによる親子購買の取り込みなどを推進している。   4月11日に発表した今期(14年8月期)第2四半期累計(9月~2月)の業績(非連結)は、売上高が43億39百万円、営業利益が3億27百万円の赤字、経常利益が3億14百万円の赤字、純利益が2億29百万円の赤字だった。台風や大雪など秋冬の天候不順の影響で売上が計画を下回り、秋冬物のセール販売増加による粗利益率の低下、物流業務効率化を目的としたアウトソーシング費用の増加などで営業損益が悪化した。   通期の見通しについては4月11日に減額修正した。売上高は2億21百万円減額して前期比7.9%増の92億66百万円、営業利益は4億06百万円減額して0百万円(前期は4億02百万円の利益)、経常利益は3億58百万円減額して10百万円(同6億21百万円の利益)、純利益は2億30百万円減額して54百万円の赤字(同2億61百万円の利益)とした。第2四半期累計での営業損益悪化要因に加えて、純利益については不採算店舗の減損損失計上を見込んでいることも影響する。   なお、今期業績見通しの減額修正の経営責任を明確にするため、取締役の役員報酬の減額を実施する。また下期(3月~8月)以降は、経営体質の改善および業績の回復に向けて、経費削減およびネット通販事業を強化する方針だ。対策が本格寄与する来期(15年8月期)の収益改善に期待したい。   株価の動き(13年11月公開価格1000円に対して初値5100円)を見ると、IPO人気一巡、第1四半期(9月~11月)の営業赤字、全般地合い悪化、そして4月11日の通期減額修正などで軟調展開が続き、4月14日には852円まで下落した。その後は930円近辺まで戻す場面もあり、下げ渋り感を強めている。4月25日の終値は874円だった。IPO直後の13年11月高値5360円からほぼ6分の1水準まで下落したことで、収益悪化を織り込んで底打ちした可能性があり、一旦は反発局面だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
レディス向けカジュアル衣料・雑貨のANAP<3189>(JQS)の株価は軟調展開が続き、IPO直後の13年11月高値からほぼ6分の1水準まで下落した。
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2014-04-28 07:15