【為替本日の注目点】ジョンソン英首相辞任

ドル円に大きな動きはなく135円台半ばから136円前後で推移。米長期金利が上昇したことで136円10銭まで買われたが続かず。ユーロドルは連日で20年ぶりの安値を更新。1.0145まで売られ、前日記録した安値をやや下回る。株式市場は3指数が揃って大幅に続伸。ダウは346ドル買われ、S&P500も57ポイントの上昇。債券は続落。長期金利は再び3%に迫る。金は8日ぶりに反発。原油も上昇し102ドル台を回復。
6月ADP雇用者数 → 月次統計方法の変更により発表を一時停止。
5月貿易収支 → -85.5b
新規失業保険申請件数 → 23.5万件
ドル/円 135.56 ~ 136.10
ユーロ/ドル 1.0145 ~ 1.0196
ユーロ/円 137.98 ~ 138.43
NYダウ +346.87 → 31,384.55ドル
GOLD +3.20 → 1,739.70ドル
WTI +4.20 → 102.73ドル
米10年国債 +0.067 → 2.995%
【本日の注目イベント】
日 5月国際収支
日 5月貿易収支
欧 ラガルド・ECB総裁講演(フランス)
米 6月雇用統計
米 5月消費者信用残高
米 ウィリアムズ・NY連銀総裁講演(プエルトリコ)
加 6月就業者数
加 6月失業率
イギリスのジョンソン首相が辞任を表明しました。不祥事が相次ぎ、閣僚や与党・保守党内の離反が相次ぐ中で3年にわたった波乱の政権に幕を下ろすことになります。当初、首相は「続ける」と述べ、最後まで戦い抜く意志を示していましたが、ついに辞任が避けられないことを認めた形です。ジョンソン氏は新党首選出のスケジュールを来週発表するとし、新党首が決まるまで首相職にとどまる意向を示しています。余談ですが、「ジョンソン氏はバッキンガムシャーにある英首相の公式別荘『チェッカーズ』を利用できなくなるようです。ジョンソン氏はここで延期されていた結婚パーティーを今月開く予定でした。招待状は既に発送済みで、しかも同氏のパーティー好きは周知の通り」と、ブルームバーグはやや皮肉めいた記事を配信しています。
タカ派のFOMCメンバー二人は、やはりその姿勢を維持していました。ウォラーFRB理事はオンラインイベントで、「もっと大いに抑制的な設定に向う必要がある。可能な限り迅速に動くべきだ」と述べ、7月会合で2会合連続となる75ベーシスポイントの利上げを支持する考えを示しました。またさらに9月会合では「恐らく50bpの利上げを支持する」と語っています。セントルイス連銀のブラード総裁も講演で、「米国のインフレ期待は、連邦準備制度による信頼できる行動がなければ動揺し、高インフレと実体経済の不安定な動きを伴う新たな状況につながりかねない」とし、次回会合での0.75ポイントの利上げを支持する意向を示しています。筆者もこの欄で何度か述べたように、今月のFOMCでは0.75ポイントの利上げがあると予想していますが、発表される経済指標の結果はその可能性を低下させています。昨日発表された新規失業保険申請件数も23.5万件と、おおむね18万件台で推移していた4月からは大幅に悪化していました。ただその割には、NY株式市場は堅調でした。債券は売られ長期金利は再び3%前後まで上昇してきましたが、主要3指数は揃って大幅高で取り引きを終えています。これまで大幅に売られてきたことで、割高感がなくなって来たと同時に、利上げ環境にも慣れてきたとも言えそうです。株式市場は、今月の0.75ポイントの利上げはほぼ織り込んできたように思えます。
今度の日曜日は参議院選挙です。事前予想では自公が安定多数を確保する見込みのようでが、多くの一人区の予想は不透明で混戦が続いており、予断を許さない状況のようです。岸田政権が安定的に継続されるようなら、現行の金融政策はそのまま維持されると思われ、株価の安定からドル円も堅調に推移するとみられます。21日の日銀金融政策決定会合でも、政策変更はないと思われますが、ひょっとしたらガイダンスに何らかの変化があるかもしれません。6月の会合後の黒田総裁の発言がその後物議を醸したことは記憶に新しいところですが、今度は慎重に言葉を選ぶと思われ、注目度は上がっています。
本日は雇用統計があります。市場予想の「23.7万人」を下回るようだと、FRBの積極的な利上げスタンスが後退するとの見方からドルが売られる可能性もあります。一方予想を上回った場合は、雇用の拡大がインフレの高進につながり、パウエル議長に圧力をかけることになります。パウエル議長にとって、「悪いニュースは良い知らせであり、良いニュースは悪い知らせ」といった構図が続いています。ドル円は134円80銭~136円80銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円に大きな動きはなく135円台半ばから136円前後で推移。米長期金利が上昇したことで136円10銭まで買われたが続かず。ユーロドルは連日で20年ぶりの安値を更新。1.0145まで売られ、前日記録した安値をやや下回る。(イメージ写真提供:123RF)
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2022-07-08 10:00